「どのような仕事を求めますか?」を問うと世界では、「ワークライフバランスが優れている仕事」と「自分の大好きなことができる仕事」(ともに40%)で同率1位だった。仕事と私生活のバランスに重きを置き、自分が関心の強いことを仕事にできるかを重視している。
日本でも「ワークライフバランスが取れている仕事」(35%)は世界と同じくトップだが、「自分が大好きなことができる」(29%)は5位。日本人は、仕事に好きなことを求めてない、もしくは好きなことを仕事にできないと思っているようだ。
「仕事の機会を得るための阻害要因」を調べると、世界では「自分の財政的状況」がトップだったが、日本では「年齢」を最も気にしている。
調査を行ったリンクトインはこの結果について、「39歳以上の中高齢世代が平均を大きく押し上げていることが要因です。年功序列や終身雇用制度が色濃く残る環境の中で、新たな挑戦がしにくいことに対する不安を反映した結果だと考えられます」と分析した。
ほかには、「自信がない/失敗に対する恐れ」の回答は、日本の方が世界よりも高い。38歳以下の若い世代に顕著だった。
会社や他人任せではなく、主体的に仕事をすることが大切
リンクトイン日本代表の村上臣氏は、「今回の調査で大事なことは、世界ランキング最下位という結果ではありません」と述べ、次のような見解を示した。
「今の日本における仕事への価値観が、世界的にみるとかなり独特なものだという認識と、現状抱えている日本特有の問題に対して当事者意識を持たなくてはいけないことです。
『人生で成功するために重要なこと』という質問で『運』が上位(2位)にランキングされたのは、日本のみです。大きな時代の変化の中で自分に合った働き方を得るためには、他人や会社任せではなく、本人が主体的に考え、動くことが重要です」
<文/薗部雄一>
1歳の男の子を持つパパライター。妻の産後うつをきっかけに働き方を見直し、子育てや働き方をテーマにした記事を多数書いている。