こうした、具体的な根拠に欠ける忌避が増えることについて、子供を日本の学校に通わせている中国人親はさらに不安を抱えている。
「幸い、うちの子が通う学校では、子供が中国人だからといじめられたことはいままでありませんでした。言葉も親以上に覚えて、学校にも馴染んでいます。それがもし、今回のことで
中国人全員が新型肺炎ウイルスと結び付けられて、いじめられでもしたらどうしようと思うととても不安です」(来日12年目・于さん・仮名)
冒頭の蘇さんはこう語る。
「日本で商売をしているワタシたちは、飲食店もそうですし、ワタシのような整体院とかも、みな日本のルールで商売をしています。特にワタシのようなお客様に接する仕事では、
インフルエンザのシーズンはワクチン接種も欠かしませんし、麻疹が流行ったと聞いたらそれも予防接種しました。お客様に不安を与えないようにマスクも着用します。日本で商売をしている以上は、日本人のお店と同様に気を配っています。もし不安なら、『最近中国に帰国したか』聞いてもらっても構いません。だから、不安かもしれませんが、中国人だというだけで避けないでほしいです」
<取材・文/HBO編集部>