加えて、増えているのが「コピートレード」への誘導だとか。 「海外FX業者のなかには、複数の口座を同時に運用できるMAM（マルチアカウントマネジャー）口座を用意しているところが増えている。この口座に入金すれば、ほったらかしでも管理者が運用してくれるんです。MAM口座に入金してくれる人が増えれば、運用資金が膨らんで、それだけPipsバックが増える。だから、取引履歴を偽る人も出てくる」（同） 　そんな偽トレーダー御用達のツールがLINE＠だ。 「ツイッター上で堂々とMAM口座に誘導すると、アフィリ狙いなのがバレバレ。だから、登録者しか見られないLINE＠に呼び込んで、詳細を解説する。このLINE＠は有益な情報を出している人もいますが、聞いたこともないトレーダーや情報商材の巣窟。『50億円稼いだ伝説の自動売買システムを先着〇〇人に販売！』などの本当か？と思うような宣伝文句が乱れ飛んでいます」（同） 　なお、LINE＠は今春から利用料が値上がりする予定のため、直近では代わりにテレグラムやスラックなどに移行して、カモの囲い込みを行う輩が増えているとか。SNS上のトレード自慢を鵜呑みにしすぎないよう、気をつけたい。 　偽トレーダーの”狩場”は必ずしもSNSではない。 「大学の先輩に『投資に興味ある？』って聞かれて、ハイと答えてしまったのが運の尽きでした……」 　こう語るのは大学4年生になったKさん。近年ニュースにもなりだした「投資用USB」の購入者だ。 「『投資ですごい稼いでいる人がいるから紹介してやる』と言われて、数日後に喫茶店で会ったんです。最初は『どんなバイトしてるの？』みたいな質問をされたんですけど、徐々に『これからは副業の時代』と語りだして、その”すごい稼いでいる人”のインスタ自慢が始まり……『2～3年もやれば、君もこんな生活が送れるよ』と。その投資方法の解説動画などを盛り込んだUSBが54万円と言われて、とてもじゃないけど手が出ないと断ったら、『年利100％なら、学生ローンの金利なんてゴミみたいなもの』と言うんです。その人を含めて3人から4時間にわたって説得されたら、深く考えるのも面倒くさくなる」 　結局、Kさんはその日のうちに60万円借り入れてUSBを購入。言われるがまま、5万円でバイナリーオプションを始めたところ、「5日でほぼゼロになった」とか……。 【FX系YouTuber　JIN氏】 まとめブログ「オレ的ゲーム速報@刃」管理人。FXや株式投資にも積極的で投資系YouTuberの第一人者としても活躍中。twitter：@oreteki_douga 【ウィンインベストジャパン　トモラニ氏】 老舗FXスクール代表。FX会社主催のセミナー講師としても活躍する。著書に『簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード』 ＜取材・文／高城 泰（ミドルマン）　池垣 完（本誌）　図版／ミューズグラフィック＞