仕事のやる気、モチベーションが上がらない……。変えるべきは内面よりも環境!?

 ビジネスで使える心理術を紹介する本連載。今回は、成長するために重要な「持続的な行動力」を出すための方法について解説する。目標達成のためには、新しいことに挑戦し続ける必要がある。そして、その行動を起こすには、車にガソリンを入れるように、自分にエネルギーを注入しなければいけない。

個人の意志より環境が重要

モチベーションのイメージ

photo via Pexels

 挑戦し続けるために必要なエネルギーとしてよく取り上げられるのが、意志力や、モチベーションレジリエンスのような、自分の内側から「持続的な行動力」を生み出すものだ。  私もセミナーをやっていると、「モチベーション上がらないんですが、どうしたらいいですか?」といった質問を受ける。今思うと、「そもそも、その人はモチベーションを高めなくてはいけない程度しか困っていないんだな」ということだとわかる。  今ではフリーランスとして活動しているからこそ思うのは、「モチベーションが上がらないと言っていられない状況でこそ、人は行動する」ということだ。  翌週の家賃の支払いがギリギリのときもあったし、周りの人に頭を下げて仕事を紹介してもらわないと、どうにもならないときだってあった。そういうときは、モチベーションがどうこう言う以前に、行動する以外の選択肢がないのだ。  だからこそ、私は意志力やモチベーションのような内的な動機づけよりも、加速的に成長するには外的な、「自動的・強制的に成長する環境」のほうを重視している。一緒に働く相手や、働く場所、住む場所、話を聞く相手、話をする相手などの環境要因はかなり重要だ。

目標に合わせた環境づくりを

 最近発売された、ベンジャミン・ハーディ著の『FULL POWER:科学が証明した自分を変える最強戦略』(サンマーク出版)という本を読んで改めて、目標を達成するために何が効果的なのか考えさせられた。今回は本書の内容を交えながら、私の「成長」に対する考え方もご紹介したい。  本の中では、意志力による目標達成の効果が否定されている。それよりも、自分が達成したい目標を設定して、それを実現できる環境を整えて、そこに自分を置くことで、自動的・強制的に自分を成長させる、環境による外的な「持続的な行動力」を生み出す方法や、その効果について解説している。
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やる気は心より環境で生み出す
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