仕事のやる気、モチベーションが上がらない……。変えるべきは内面よりも環境!?

目標設定が肝心

 この話をすると、「つまり、アファメーションのようなもの?」という質問を受けたが、アファメーションは、自分に対して断定的になりたい自分になっていると言い聞かせることで、思い込みの力を使って自分の行動や発言を変えるものだ。  例えば、「私はどんな問題にも挑戦するコンサルタントだ!」「私はこの会社でトップの成績を出す」といった考え方である。これも、内的な動機づけとなるので、『FULL POWER』で紹介されているものとは違う(コンフォートゾーンを話を持ち出す人もいたが、それは半分正解で半分間違っている)。本書でハーディが紹介しているのは、メンタル的なものというより、ある意味、物質的なものだ。  早とちりをする人だと、そう聞いて「じゃあ、厳しい環境に行って成長しよう!」と思うかもしれない。しかし、本書で私が刺激を受けたのは、「まずは、目標を設定してから、それを実現できる環境を作ること」だ。  厳しい環境に身を置くことは、忍耐力、体力、レジリエンスは身につくかもしれないが、目標が達成できるかというと違う。自分が実現したい目標を決めてから、環境を作らないと時間の無駄になってしまうし、成長のための生産性が低い

自然と成長を促すことが最大の近道

 環境の作り方は、「自分が付き合う相手」のような人間関係的な環境づくりだけでなく、「仕事に期限を設定する」のような時間的な環境づくり、「家賃の高い部屋に住む」のような金銭的な環境づくりまでが考えられる。そうやって環境を作ることで、モチベーションのような内的なものではなく、外的に強制的に動かざるを得ない状況をつくることが、成長スピードや効率などを考えると効果的である。  すでに、2020年が始まって何日経っただろうか。想像以上に時間が経つのは早い。あなたが、今いる環境は自分の目標へ続いているだろうか。目標を深めつつ、今の環境を整理してみてはいかがだろうか。 【参考文献】 『FULL POWER:科学が証明した自分を変える最強戦略』(ベンジャミン・ハーディ著/サンマーク出版) 『アファメーション:人生を変える! 伝説のコーチの言葉と5つの法則』ルー・タイス
心理戦略コンサルタント。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』がある。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催中。
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