どうしたら「上から目線の嫌な上司や先輩」を脱することができるか? 前置きひとつで印象は大違い

指示や命令はサポートのあとに

 しかし、その心配には及ばない。相手を巻き込む5質問を繰り出したあとに、指示・命令をすれば良いだけだ。5つの質問の「サポートを得たいことは何ですか?」という質問に対して、全てではなくても一部でもよいので、サポートすることを約束したあとに、指示・命令を繰り出せば、如何に効き目が高まるかを実感できるに違いない。  要は、指示・命令のあとに相手を巻き込む5質問を繰り出しても意味はない。相手を巻き込む5質問を繰り出してから指示・命令を繰り出せば効果が高いという、順番だけの問題なのだ。そのためには、とっさのときに指示・命令ではなくて、相手を巻き込む5質問を繰り出せる程度に、体に染み込ませておかなければならないのだ。

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 質問:「やってみてどうでしたか?」の質問の繰り出し方  「やってみてどうでしたか?」の質問は、具体的にどのように繰り出せばよいのでしょうか?  回答:相手の気持ちを和らげる前置きをする  「やってみてどうでしたか?」の質問も、いきなりこの質問を突きつけたら、相手は抵抗感を持ってしまいがちです。そこで、相手が話しやすくなるように前置きをして質問をすると、スムーズに相手の答えを引き出しやすくなります図表 <質問例> ・よく努力されましたが、やってみてどうでしたか? ・3か月取り組んできて、自分としては、いかがでしたか? ・先週はお疲れさまでした。自分なりに、どのように振り返っていますか?  「相手を巻き込む5質問」は、いずれも質問の表現の骨格ですから、その相手が答えやすいように、状況に合わせて表現を変えていきます。「よく努力されましたが」「3か月取り組んできて」「先週はお疲れさまでした」という前置きが、相手の気持ちを和らげる効果を生みます。「自分としては」「自分なりに」「振り返っていますか?」というフレーズは、話す内容を絞る効果がある一方、ストレスを与えるリスクのある表現です。 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第173回】
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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