セブンイレブン公式もツイートした「たっぷりコーンスティック+α」。発端となった男がいまハマる「思考のパルクール」

たっぷりコーンスティック

写真提供/高野政所氏

セブンイレブン公式もがツイートしたバズりの陰にいた男

 少し前からセブン-イレブンで「たっぷりコーンスティック」が一部でバカ売れしているらしい。  そのきっかけを作ったのは、DJの高野政所氏。過去にはインドネシアのダンスミュージック「ファンコット」を日本に伝導し、「チェアリング」の実践者としても知られる、サブカルチャーにおけるさらにニッチなトレンドのエヴァンジェリストとして知られる人物だ。  彼がなぜ「たっぷりコーンスティック」のバカ売れのきっかけとなったのかというと、昨年11月のとある日の深夜、DJを終えた高野氏が空腹のままコンビニを訪れたことに端を発する。 「メシも食わずに現場入りして、そのまま4時間ほど酒とタバコだけでDJしたあとだったんです。さすがに腹減ったなと思ってコンビニに行ったんです。セブンイレブンに入り、一通り品揃えを確認すると、この夜中でもホットスナック棚にいくつか商品が残ってました。弁当は残り数個。おにぎりもあるけどそれらはあまりピンと来なかった。そんな中、調理パンの棚に残っていた『たっぷりコーンスティック』がピンと来たんです。  この『たっぷりコーンスティック』って、ちょっと不思議な形状をしていて、平べったく細長いパンなんだけど、コーンとマヨネーズが乗っている中央部が溝のように薄くなってんですね。そう、まさに溝です。ここにさらに何かがハマるんじゃないかと思ったんです」  そんな彼は、最初に眺めた「ホットスナック」のケースの中にあったあるものを思い出したという。「フランクフルト」である。 「これは! と閃きました。このくぼみはきっとあのフランクフルトを置くためのくぼみに違いない! よし、この合体を試してみてよう!と思い、迷わずマヨコーンスティックを持ってレジに行き、BIGポークフランクを注文、店を出て路上でパンの袋を開けて、パンの窪みに合わせておもむろにフランクを串ごと挿入しました。  なんという収まりの良さ! そして、袋を押さえながらフランクの串を引き抜き、挟み込むように握ったそれを頬張りました。それが予想通り……とうか、予想以上の美味さで、感動したんです。コーンの歯応えとマヨネーズの味わい、フランクの肉感、それを全て包むパンの食感。油とタンパク質と炭水化物のハーモニー! これは美食! 理想的なジャンク感、こってり感! 適度なボリューム! うまい物を食ってる時特有の充足感! これは発見だと思いました。他に試みた人はいるのだろうか? 早く誰かに伝えないと!とそう思ったときはあっという間に食べ終わっていました」

「SBT」という言葉が生まれた瞬間

 その日は、興奮のあまり写真を撮ることもツイートすることも忘れてしまった高野氏だが、翌日のライブで後輩にこの組み合わせを教えて、写真を撮ってこの食べ方をTwitterで拡散しようと思ったのだという。  そしてツイートしたのが、”昨日はセブンイレブンの「たっぷりコーンスティック」に「BIGポークフランク」を挟んで食べるとめちゃうまいと言うストリート美食テクニック(SBT)をiyochangに伝授しました。是非、皆さんも一度お試しください。”というツイート。   「ストリートで食ってるし、うまいし、工夫してるからいいだろってことで、『ストリート美食テクニック(SBT)』と名付けてツイートしたんですが、これが自分的には結構拡散して、いいねが3000ぐらい。RTが1700ついたんです。更にその後、三角絞めさんというブロガーの方が、この『SBT』を試したツイートがなんと1万リツイート超、いいねは3万超という巨大なバズりを見せたところ、なんとセブン-イレブンの公式Twitterさんが反応してくれたんです」
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高野氏が編み出した新しい遊びとは?
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