なぜ私たちは「トルコ」に魅せられるのか? 荒波トルコリラ投資にハマった女性トレーダーの悲喜こもごも座談会

「お母さん、ごめんね」。大台割れで自ら損切り

ぷーにー:私はトルコショックの直前に自ら損切りしました。20円を割ってきたので「これはマズイな」と。それで、60万円の損失に抑えました。ただ、母にも「トルコリラいいよ」って勧めていたんですよ。だから損切りするときに「お母さん、ごめんね」って(笑)。 ココミン:売りでは入らなかったの? ぷーにー:放心状態で(笑)。でもちゃんとやればトルコリラは利益を出せるはずとは思っていて、そこからはレバレッジ(取引額を自己資金以上に引き上げる仕組み)を抑えて毎月買い足して、今は69万トルコリラを保有しています。1日あたり3500円くらいのスワップが入ってきますね。トルコリラ投資では90万円くらいのプラスです。 エミン:今はどのFX会社のスワップが高いんですか? ココミン:最近はインヴァスト証券で、だいたい1日62円くらい(1万トルコリラあたり)ですね。あとは、みんなのFX(トレイダーズ証券)も高い。 ぷーにー:なので私もインヴァスト証券、みんなのFX、ライトFXの3つの口座で分散して買っています。 ココミン:インヴァスト証券の口座、もう作ったんだ。 ぷーにー:日本のFX会社の口座は、ほぼ全社のを持っています(笑)。 マリア:すごい……! ぷーにー:そうすればスワップの高い口座が変わってもすぐに移れると思って。「備えあれば憂いなし」です。最近は朝起きたらチャートより、スワップをチェックします。 マリア:私もです(笑)。 ぷーにー:「今日は上がったけどいつまで維持できるんだろう?」とか、そんな楽しみに目覚めています(笑)。 マリア:私はまだ経験が浅いんですが、ツイッターを見ているとスワップを貯めつつ売買でも稼いでいる人も多いようだったので、私もやってみようと思って、こないだ売ってしまったんです。 エミン:いくらで売ったんですか?
Mariaさん

Mariaさん

マリア:18円20銭と18円70銭のときに売って、今はそれよりも高いので失敗しました……。それでも、今までの受け取りスワップの総額が55万円くらい。値下がりで損した分を引いても、30万円ほどの利益にはなっています。 ココミン:私はトルコショック以来、ずっとガチホ(長期保有)。ほとんど売買していないです。今は142万トルコリラなので1日のスワップが8000円弱です。これ以上は増やしもせず、減らしもせず。ただ最近、トルコの金利が落ちているのが痛い。 エミン:24%から14%まで下がりましたね。トルコ中央銀行は’19年12月にも2%ほど利下げする可能性があります。 マリア:’20年も下がるんですか? エミン:いえ、12月に利下げしたら、それが最後になるかもしれません。アメリカ(FRB)が利下げ、EU(ECB)は金融緩和で世界的に金融緩和相場となっており、トルコには追い風。それに、さらに利下げするとトルコの実質金利がマイナスとなるので、そこまではしないと思います。

中銀のリラ買い介入で「準固定相場」状態に

ココミン:トルコリラの値動きも、’19年の春先くらいからは18~19円台で、落ち着いていますよね。 エミン:トルコショックを教訓に、通貨が暴落しないよう、政府・中銀が強くグリップしているんです。特に意識しているのが、米ドル/トルコリラの6・0。これを超えるようなトルコリラ安が起きないよう介入しています。 マリア:ちょっと前まで、いつも15時半になるとトルコリラがちょっと上がることがありました。あれは介入によるものだったんですか? エミン:日本の15時半はトルコ時間の朝9時。毎朝介入していた時期があるので、その影響でしょうね。 マリア:確かに、私はデイトレが得意ではないのに15時半に買ったら上がってラッキーな時期がありました(笑)。 エミン:介入のおかげで利下げしてもトルコリラはそんなに下がらないし、トルコ軍がシリアに侵攻しても下がらなかった。もし介入がなければ、利下げや軍事的緊張が高まるたびに15円とか、下手したら10円まで下がっていた可能性もあったと思います。しかし、今の政府は通貨防衛が最優先で「変動相場制の中での準固定相場制」のようなステージにあります。皆さんのようなスワップ狙いの投資家にとっては非常にいい状況と言えるでしょう。データで読みにくくてエコノミストとしてはやりづらいですが(笑)。
対ドル6.0

トルコ政府の防衛ラインは「対ドル6.0」
政治リスクはあるも、トルコ中央銀行の介入は安心材料と言える

ぷーにー:勇気が出ます! ココミン:とはいえリスク管理もしっかりしないとですよね。私はレバレッジ2倍が基本。勝負するときでも3倍を超えないようにしています。 エミン:確かに、トルコの今の政策はかなり斬新でどこまで為替をコントロールできるか未知数だし、戦争やテロ、それにエルドアン大統領の政治リスクもあります。「為替が動かないから気を許す」のではなくて、「いつ動いてもいいように気をつける」ことが重要ですね。
ぷーにーまんさん

ぷーにーまんさん

ぷーにー:米軍がシリアから撤退してトルコ軍が侵攻した週末(’19年10月6日の日曜日)は気が気じゃなかったです。月曜日に落ちたらどうしようって。 マリア:ロシア製兵器の購入でアメリカと揉めたとき(’19年7月)も気になりました。最近は安定していますね。 ココミン:情報に翻弄されても、悲観的になりすぎても良くないですよね。 ぷーにー:トルコって地理的にもヨーロッパとアジアの中間に位置しているし、歴史的にもヒッタイトや東ローマ帝国、オスマン帝国と有名な国が生まれた土地でもありますよね。「歴史は繰り返す」じゃないですけど、またトルコの国力が盛り返す時期がくるのかな、なんて。妄想ですけど(笑)。 マリア:トルコは32歳以下の割合が総人口の半分以上で経済成長の期待も高いと言われていますよね。実際、トルコ旅行をしたとき、都市部では若い人が目立っていたように思います(笑)。
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トルコ大統領と対面した経験も
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