化粧男子に「ツッパリ」。2020年は「自分の好きなカッコ」で楽しむスタイルが増える!?

’80年代の不良カルチャー“ツッパリ”ブームが再来?

[局地的ブーム]大ヒット予測

ツッパリ全盛期は校内暴力や暴走族などが社会問題となった。写真は’77年のもの。提供:朝日新聞社

 美を追求する化粧男子が増える一方で、硬派な’80年代のツッパリ文化がブーム再燃の兆しを見せている。  昨年のハロウィーンには、’80年代のツッパリを描いたドラマ『今日から俺は!!』のコスプレを楽しむ中高生たちの姿がSNS上で多く見受けられた。同ドラマは若者から大人まで多くの支持を集め、今年の映画化も決定。さらに、ドラマ主題歌『男の勲章』の作詞・作曲を手がけたロックグループ「横浜銀蠅」は、結成40周年を記念して1年間限定で再結成する。

「ツッパリ」精神に若者が共感!?

「ツッパリブームはこれまで何度も来ていますが、実は土台としてずっとあるものだと思うんです」と分析するのは、’80年代の不良カルチャーをフィーチャーした書籍『ヤンキーメイト』の出版を企画した竹村真奈氏。 「特攻服や改造制服、ヘアスタイル、権威や強いものに屈しないツッパリ精神、友情や仁義を大事にするところなど、自分自身のスタイルを持っている部分に、若者たちは共感するのだと思います。この文化は日本の歴史に残すべき」
[局地的ブーム]大ヒット予測

『ヤンキーメイト』(ギャンビット)ヤンキーメイト制作委員会編著、比嘉健二・岩橋健一郎監修協力

 ’80年代は、教師による体罰や校内暴力、暴走族などが社会問題になった時期でもあった。’70~’80年代にかけて日本各地に名を轟かせていた暴走族「スペクター」の3代目総長を務めていた加々美恵三氏はこう語る。 「今の子供は、ケンカというとすぐにナイフが飛び出すだろ。殴られた経験がないから、痛みの加減がわからないんだ。ケンカにだってルールがある。素手でやるのが基本で、卑怯なマネはしちゃいけない。相手の痛みも知ることが『ツッパリ精神』なんじゃねえか?」  ツッパリブーム再来の根底には、失われた「ツッパリ精神」への憧れの気持ちがあるのかもしれない。
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“レトロ回帰”ブーム到来!?
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