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香港の若者たちはなぜまだ立ち上がれるのか? 彼らを支えた「ツール」<日本人がまだ知らない香港デモの実像>
香港の若者たちはなぜまだ立ち上がれるのか? 彼らを支えた「ツール」<日本人がまだ知らない香港デモの実像>
2020.01.10
大袈裟太郎
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香港に学ぶ新時代のヒント
2019年6月からの半年で7000人以上の逮捕者と莫大な数の疑惑、負傷者、死者行方不明者を出した一連の反送中デモは法案廃案後、五大要求を掲げ、2020年も収束する気配がない。 彼らがなぜ立ち上がり続けるのか。 世界へと爆発的にシェアされたこの運動の新時代性について、香港市民たちの言葉とともに見つめた。
be water, my friend 流動体としての枠組み
◆「また立ち上れるとは思ってなかった」
ある20代香港人青年Aが言った。 「2015年の雨傘運動の終焉はひどかった。民主派と呼ばれる人々同士の派閥や世代間にいくつものくさびが打ち込まれ、皆、疲労でボロボロだったし、互いへの不信感でばらばらになった。あれから4年。確かに学んだことは多いが、それ以上になぜ立ち上がれたのか?なぜここまで自分たちがタフに行動を続けられるのか? 自分たちも明確にはわからない。 とにかく、眼の前の日々に噛り付いてきただけだ」 驚くことに、これは自分が話を聞いた香港市民たちに誰しも一致した見解だった。
◆be water, my friend
2019年7月の立法会突入後から、この運動のテーマとなったこの言葉を彼らは驚くほどに体現していた。 「水になれ」--。 こだわらず固執せず、柔軟に臨機応変に、その場その場の答えを求めカタチを変えていく。私はそう捉えているが、これは見方を変えれば、その場しのぎの無責任な行動にもつながりかねない。 柔軟である反面、流動的で危険な賭けでもあるように見える。
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