3.立ち往生時に必要な道具を載せておく
非常食以外で絶対に必要になるのが、「
スコップ」だ。
立ち往生した際、外に出ず車内で待機し続けていると、最悪の場合、死亡することがある。
その原因は「
一酸化炭素」だ。
積もった雪がマフラーの排気口を塞ぎ、排ガスが逆流。車内に溜まることで一酸化炭素中毒を引き起こすのだ。
この一酸化炭素は無味無臭。症状も軽度の場合だとめまいや頭痛などのみなので、「環境のせいだろう」と気付きにくく、そのまま重症になると意識不明となり手遅れになるため、車外に出て定期的にクルマの後部に積もった雪を除雪する必要がある。
その他、立ち往生した際の道具として、
携帯用トイレや軍手、懐中電灯、毛布が車内にあるとより安心だ。毛布は防寒用としてだけでなく、雪道にハマった際の脱出時にも使える。
4.通る道を事前確認
先述の通り、大雪の予報が出た時は、不要不急の外出を避けるのが一番のトラブル回避策になる。が、どうしても外出する必要があるのならば、通る道の状況を事前に把握しておくと危険予測がしやすい。
峠越えをするトラックドライバーの場合は、SNSで発信される現場の状況だけでなく、国交省の峠のライブカメラ等でも、事前に道路状況チェックしたりするという。
ちなみに、関東から北海道に移住したあるトラックドライバー曰く、「北国の人は、立ち往生した時に手伝ってくれる人が多い」とのことだった。
「もがいた時に助けてくれたのは、近所の牧場経営者、道の駅の施設の方、近所の方、町の除雪担当の方でした。もちろん無償。地域柄なのか、タイヤショベルを準備している人も多いので、レッカー業者呼ばなくても助けてくれることが多いです」
無論、自力での対処が大前提ではあるが
、本当に困った場合は雪慣れした人に協力を仰ぐことも、二次的被害を未然に防ぐことに繋がるのかもしれない。
例年に比べて雪が少ないと言われる今年の冬だが、一度雪が降ると交通が途端に麻痺する地域のドライバーは、雪国はもちろん、地元での降雪には油断せず対策しておいてほしい。
<取材・文・撮影/橋本愛喜>
フリーライター。元工場経営者、日本語教師。大型自動車一種免許取得後、トラックで200社以上のモノづくりの現場を訪問。ブルーカラーの労働環境問題、ジェンダー、災害対策、文化差異などを中心に執筆。各メディア出演や全国での講演活動も行う。著書に『
トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書) Twitterは
@AikiHashimoto