不動産購入で競売物件狙いはもう古い?

不動産投資は何かとわからないことが多いもの。そこで物件選びの基本から融資、実際の投資先に至るまで、選択テーマを設定。どっちを選ぶのが得なのか、識者や現役投資家に話を聞いた。

競売物件の旨味はなくなった。格安を狙うならボロ物件

 物件を安く買いたいのは万人共通。築20年以上のボロ物件にしろ競売物件にしろ、価格は格安なのでは? 「いいえ。競売物件が必ずしも安いとは限りません。近年、競売は状況が変わりつつあり、かつては業者だけの市場だったのが、一般の人の入札も増えています。そのため、以前よりも格安物件は減り、市場価格と変わらなくなっているのです」(不動産投資コンサルタントの午堂登紀雄氏)
森井雄一氏

森井雄一氏

 不動産コンサルタントの長嶋修氏、サラリーマン大家の森井雄一氏も同意見。 「競売物件の場合、建物内部を写真でしか確認できず、怪しい占有者がいるケースもある。なにかと面倒でリスクが高いのは否めません」(森井氏)  ボロ物件ならそんな心配はなく、地方の戸建てで100万円以下。アパートでも1000万円以下が珍しくない。 「ただし、物件の質を見極めること。修繕に莫大な費用がかかると、結局は高い買い物になるので要注意」(長嶋氏)  良し悪しを見極める方法として、長嶋氏は2つのポイントを挙げる。 「ひとつは、雨漏りや配管の水漏れがないかどうかのチェックです。天井裏や床下を覗けば、その有無がわかります」  もうひとつは、建物の耐震性や歪みがないかどうかのチェック。 「耐震性については、81年6月以前に建築確認を受けていれば旧耐震、以後なら新耐震になります。旧耐震だから即危険というわけではないですが、リスクは認識しておくべき。歪みについては水平器を使えばおおむね判別できます」  しっかりチェックして、お宝のボロ物件を手に入れよう! 【午堂登紀雄氏】 不動産投資コンサルタント。プレミアム・インベストメント&パートナーズ代表。自身でも不動産投資を行い、国内・海外に複数の物件を所有。不動産資産は約5億円。著書多数 【長嶋 修氏】 不動産コンサルタント。個人向け不動産コンサルティング会社「さくら事務所」を設立、現会長。マイホーム購入、不動産投資などのノウハウに幅広く精通する。著書多数 【森井雄一氏】 30代サラリーマン大家。2013年9月に本格的に不動産投資を開始。ハイスピードで物件を取得し、1年でキャッシュフローが月100万円突破。現在、アパート9棟72室を運営 ※銘柄情報は2014年11月26日時点 ― 不動産投資「どっちがお得?」【4】 ―