◆1.ビリー・アイリッシュの現象的成功
音楽界では、センセーショナルな17歳の少女、ビリー・アイリッシュが国際的な大センセーションを巻き起こした。そこまでの若さでありながら大物プロデューサーの力を借りず、サウンドはすべて4歳上の実兄フィニアスとの手作り。そんな兄妹の織りなすヘヴィなベースラインに多彩なハーモニーを交えた独自のダーク・ポップ・サウンド、そして屈折や皮肉、悲しみを歌いながらもほのかな希望も歌う歌詞は、現代のネット社会に増加中の、苦悩するエモい10代の少年少女たちのハートを突き刺した。
デビュー・アルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』は、世界中のヒットチャート上で、発売から半年以上経った現在もトップ10から外れない異例のロングヒットを記録中。新世代の新たなバイブルの誕生だ。
◆2.ネットフリックス作品の台頭
TV界を席巻したのは今年もネトフリックスだった。大人気青春ミステリー『ストレンジャー・シングス』の大ヒットがあったのに加え、黒人差別、そしてレイプ被害ならびに捜査の実情を描いた『ボクらを見る目』『アンビリーバブル たった1つの真実』といった社会派のミニ・シリーズ・ドラマは批評的に絶賛された。
また、映画配給にも本格配信を続けているネットフリックスは’19年3月のアカデミー賞でアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』があと一歩のところで作品賞を受賞しそうになるなど大健闘。’20年のオスカーでも『アイリッシュマン』『マリッジ・ストーリー』が有力候補になるなど、映画界の制覇も目前に近づいている。