学会誌に「チェルノブイリ原発事故後の乳がん増加」論文が掲載
◆チェルノブイリ原発事故後の乳がんの増加|International Journal of Epidemiology via Oxford academic
チェルノブイリ原発事故(1986年)による被ばくの影響で、乳がんの増加が起こっているらしい、とする報告。事故発生時にロシアのブリャンスク州に住んでいた人たちを対象に行われた疫学調査の結果で、調査期間は2008~2013年。ロシアと米国の研究者らによる。
チェルノブイリ後の乳がんについては以前にも増加を示唆する報告があるが、これはより高い精度の調査手法によるもの。被ばくのがん影響の調査には長い年月が掛かるため、「チェルノブイリ後のがん影響は甲状腺がんだけだった」と結論するのは時期尚早。チェルノブイリ原発事故はまだ終わっていない。
◆環境活動家グレタ・トゥーンベリさん大躍進|TV朝日
9月の国連サミットでの演説で日本でも多くの人に知られるようになったグレタ・トゥーンベリさん(16)。温暖化対策の強化を求め2018年にたった一人で始めたストライキ活動は世界各地に飛び火し、その影響力は米国のトランプ大統領やロシアのプーチン大統領にとっても無視できないほどになっているよう。
グレタさんの支持者には“行動派”の有名人も多く、アーノルド・シュワルツェネッガーやレオナルド・ディカプリオ(
参照)、アイルランドのロックバンドU2、そして日本の尾畠春夫さん(“スーパーボランティア”とも呼ばれる、あの尾畠さん)などがいる。
◆猫の表情を読み解くのが上手な人がいる?|ナショジオニュース
人間の中に、猫の顔の表情を読み解くのが上手い人たちがいるかもしれない、というカナダからの報告。被験者たちに猫の顔だけが映った動画を見せ、その猫が快適な状況にいるか不快な状況にいるかを当てさせるテストを行ったところ、被験者の一部に高い正解率を出す人がいたらしい。
猫を飼った経験のある人ならば、猫の物欲しげな表情や、自力では降りられないほどに高い塀に登ってしまった時の「ごめん、おろして…」と言いたげな情けない表情を知っている人は多いだろうが、そんな猫の表情の秘密に、科学のメスが入り始めた格好。
<文/井田真人>
いだまさと● Twitter ID:
@miakiza20100906。2017年4月に日本原子力研究開発機構J-PARCセンター(研究副主幹)を自主退職し、フリーに。J-PARCセンター在職中は、陽子加速器を利用した大強度中性子源の研究開発に携わる。専門はシミュレーション物理学、流体力学、超音波医工学、中性子源施設開発、原子力工学。