「常夏の国」タイで凍死が多発。東南アジアの「冬」を侮るなかれ

1月にはグッと冷え込むことがある

12月1月の農村地帯

12月1月の農村地帯ではこれくらいの防寒着を着るくらいの気温はよくある

 また、毎年必ずというわけではないが、ときどき1月下旬にぐっと冷え込むことがある。中国方面から寒波が下がってくるのか、バンコクでも日中で20度を切る場合もある。こういったときは、北部の山岳部では明け方に気温がマイナスになることもあって、東南アジア=常夏という常識が身を持って覆される。  特に1月2月に寒くなる場合は要注意である。  毎年、少なくとも年始を過ぎればバンコクは気温が上がっていく。タイの真夏は4月5月で、そのピークに向けて気温が上昇するのだが、1月下旬などだと上がり始めた空気が一気に冷え込むため、明け方は飛行機が着陸を断念するほどの濃霧に包まれることもある。
防寒着を着て歩く子ども

タイ東北部の国鉄駅で防寒着を着て歩く子ども

 ベトナムの首都ハノイなどは東南アジアの中でもかなり北に位置するので12月から翌3月くらいまでは寒い時期が続くため、用意するべき服装などは判断しやすい。しかし、バンコクの場合は突発的に冷え込むので旅行直前で準備しておくことは難しいだろう。幸い、この時期は日本の方が寒いので、防寒着がないという事態には陥らないだろうが、プール遊びや海水浴はできないレベルになる場合があることは覚悟しておこう。 <取材・文・撮影/高田胤臣>
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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