「日本も欧州も低成長に苦しむなか、米国は先進国でありながら高い成長をキープしています」
そう話すのは、日本つみたて投資協会代表理事の太田創氏だ。米国の代表的な株価指数であるS&P500は、リーマン・ショック以降も右肩上がりを続けている。太田氏が過去30年(間の)年平均リターン(円ベース)を計算したところ、なんと9.5%という驚異的なパフォーマンスがはじき出された。大化けが狙える個別株を血眼になって探し回らなくても、指数を買って寝ているだけで大儲けできた市場が米国株なのだ。
月2万円で2000万円をつくるには何年かかる?
毎月2万円投資の場合、日本の定期預金なら2000万円まで83年かかるのに対し、年利5%なら32年11か月、過去30年のパフォーマンスである9.5%なら23年2か月で達成
もし、このパフォーマンスが今後も続くとすれば、40代でもわずか月2万円の積み立て投資で「老後2000万円問題」は簡単に解決できてしまうことになる。
「さすがにこのシナリオは楽観的過ぎますが、年5%の現実的な水準であっても十分射程圏内です」(太田氏)。老後のために今から備えたいという人にとって、米国株は有力な選択肢となるのだ。
米国株がやっぱり要注目なのには6つの理由がある。一つずつ解説していこう。
①25年で7倍以上の上昇
S&P500と並ぶ米国株指数であるNYダウも、過去25年間右肩上がりだ。米国同時多発テロや、「100年に1度の金融危機」とされたリーマン・ショック時に下落を経験してはいるが、あっという間に復活して急上昇している。
イラスト/植田 工
②株主への還元を重視している
「米国では上場企業が株主に利益を還元する仕組みが整っている」と話すのはグローバルリンクアドバイザーズ代表取締役の戸松信博氏。米国では何十年にもわたって連続増配する企業はザラで、株価上昇に繋がる自社株買いにも積極的な企業が多い。