野田氏は続けて、「不動産を貸すときは、仲介を依頼する不動産会社選びが最も重要」と強調する。
「オーナーと借り手の双方から仲介手数料を取ろうと考え、自社に相談に来た借り手だけに物件情報を見せ、外部に公開しない悪徳業者が少なくありません。こうなると入居者が決まるまでに時間がかかってしまいます。物件情報をオープンにして入居者を受け入れてくれるのかは必ず確認しましょう」
さらに空室対策に加えて、「家賃滞納の対策も必要」だと野田氏。
全物件について保証会社をつけ、家賃滞納が発生したときに補償を受けられるようにするのがおすすめとのことだ。
「東京でも江東区や葛飾区、八王子市などなら数百万円の物件を見つけることはできます。ただ、安すぎる物件の場合、管理会社がつかない自主管理が少なくありません。そうした物件は、メンテナンスが疎かで大規模修繕工事を行えるだけの修繕積立金もないため、老朽化が進む一方。入居者がつきにくく、将来売却するのも難しい。500万円で自主管理の物件を2戸買うくらいなら、
1000万円で管理会社がついている物件を1戸買うべきです」
「ワンルーム投資には手を出すな」といった言葉も聞かれる昨今だが、仕組みを理解すればリターンを確実に得ることも不可能ではない。
●新築は絶対NG
●税金の還付を謳う物件は避ける
●6万円未満の物件は入居者の属性にこだわらない
●広告料は必要経費と割り切る
●仲介業者は慎重に選ぶ
●家賃の保証会社はつける
●修繕積立金の状況は必ず確認
野田晴夫氏
【野田晴夫氏】
TGホーム代表取締役。不動産販売会社を経て、’14年にTGホームを設立。さまざまなタイプの物件を取り扱い、買い取りから売買仲介、管理を担う