今もなお、仮想通貨で爆益を叩き出すツワモノは凡人トレーダーと何が違うのか?

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Aaron Olson via Pixabay

相場全体のトレンドを知るのに有効な定量分析

 ひと頃の過熱感は後退した仮想通貨市場。バブル期に高値掴みをしたまま、含み損を抱えている人も少なくないだろう。  一方で、仮想通貨界隈には、今なお変わらず爆益を出し続けているツワモノがいる。それが理論派として知られる古参トレーダーのヨーロピアン氏だ。 「2019年は9000万円ほどの利益を出すことができました。1BTCが4000ドル付近を底とにらんで1月中旬頃から買いを仕込んでいたんです。一時期は最大で200枚ほど保有していましたが、例年に比べるとあまり積極的なトレードはしていなかったんです。買いを仕込んだ後に、取引高が膨らんでいずれ上昇局面に入るだろうと予想していましたが、自分の想像以上に4~7月の相場は価格が高騰したな、というのが正直な印象ですね」  どのような相場分析をしていたのか。 「少し専門的になりますが、ビットコインの底値については、もっとも電力の安い地域でのマイニングの収益分岐点を計算した結果、4000ドル付近だとにらんだんです。人件費や電気代、最新の機材費を分析し、実際にアメリカのマイニング業者にヒアリングする機会にも恵まれましたね」  また、上昇局面については「相場全体が失望期に入っていたので、いずれ反転すると予測を立てた」と続ける。 「というのも、僕は常日頃からグーグルトレンズやツイッターで『Bitcoin』という検索キーワードが出た数を定量的に計測しているんです。検索数が増減したタイミングをグラフにして把握することで、価格が変動するタイミングも予測できるんです。また世界的には有名なOTC業者からも、香港やシンガポールの富裕層の資金が仮想通貨に流入している、という情報も入ってきていましたから」

テクニカル指標は200日移動平均線だけ

 データとリアルな情報を武器にトレードをしているヨーロピアン氏いわく、「こういった材料って実はチャートにはあまり表れないんです」とのこと。 「200日移動平均線は参考にしますが、その他のテクニカル指標はたいしてアテにしていませんね」  これらの材料を複合的に判断した結果、「平均取得コストは日本円で1BTC=45万円、そして85万円付近まで上昇したタイミングで7割ほど利確しました。その後、ビットコインは約150万円まで上昇したので、今思うと少し惜しいことをした感じですけど(笑)」とのこと。では、ヨーロピアン氏のトレード手法とは? 「基本はビットフライヤーでの現物取引です。ただ、先ほども話したとおり80万円付近で手放してからは大きく買うタイミングが来ていない状況です。現時点ではもう少し下がり待ちで、8月以降は裁定取引(アービトラージ)を国内外の取引所を使って行っています。僕は本業がプログラマーなので、かねてからプログラムを自分で書いて自動で回しているんです。手動での裁定取引は労働コストと見合わないですね。ただ、ここ数週間は裁定取引で利益を取れるほどのボラリティもなくなってきたので、Bitmexでデリバティブ取引も始めています」  今後の仮想通貨の値動きを見る上で注視したいのは、2つのイベントだ。
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ヨーロピアン氏が注視する「2つのイベント」
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