「学校の勉強ができるからといって頭がいいわけではない」
――普通に学校生活を楽しんでいるみたいですね。
学校は行ったら楽しめます。嫌いですけど。
――学校のどんなところが嫌いですか。
やっぱり古いじゃないですか。教え方というか、無駄な校則多いよなと思っていて。制服とかダサいし。あと雰囲気が嫌いなんですよ。例えば部活だったら「ダルイ」って言ってる人はやめればいいのに、やめないんですよ。自分で何かを決めてやるという空気があんまりないからつまらない。
それに中学の文化祭とか合唱コンクールって、生徒が自主的にやっているような見せ方をしているだけで、僕らの行事ではないです。学校がやらせたい行事を僕らが演じているだけみたいなところがある。そんなものに青春なんてないと思うんですよね。
キメラゴンさん
――勉強は得意ですか。
社会だけできますけど、勉強は全体的に下のほうです。でも、勉強ができるから頭が良いというわけではないじゃないですか。テストの点は取れるようになっても、考えて何かをするという頭の良さは学校で養われるものではないと思うんで。
それに学校の成績で上位になったからといって、自分に何が返ってくるかというと受験に関係ある訳でもないし。学校の勉強はやりたい人がやればいいことだと思う。自分の苦手な分野で戦う必要はないと思います。
僕は通信制の高校に進学することを選びましたが、普通に学校に通っている人なら不安に思う選択なのかもしれません。でも、漠然と何とかなると思っているんですよね。将来使うつもりのない勉強をあまりしたくないし、普通に学校行って勉強している3年間を送る人よりも、自分で考えて努力した3年を過ごした人のほうが、学歴がなくても社会では通用すると思っているから。
――同世代と話が合わなくなったりしませんか。
話を合わせるんですよ。普通に接してはいますよ。でも最近は社会人の友達のほうが多いですね。マーケターとか未成年の夢を応援する団体のトップとか。
――親御さんは活動をどんなふうに言っていますか。
最初から全面的に応援してくれています。パソコンも買ってくれました。初めはお父さんのパソコンを使っていたんですけど、作業内容見て、20~30万円のデスクトップを買ってくれたんです。
できることを伸ばそうとするタイプの親で、「いい学校に行きなさい」とかではなく、「笑って楽しく幸せに生きてね」という教育方針なので。僕が毎日学校通っていたときよりも。今のほうが明るいらしいんですよ。だから嬉しいみたいです。
――ちなみに、好きな子とかはいますか。
好きな子というか彼女がいます。結構周りにも恋人がいる人はいますけどね。僕は2年生のときに4人と付き合って、今の彼女で5人目です。彼女はこの活動を応援してくれてますよ。デートで映画に行くときは、全部払っています。
――大学進学は考えてないんですか。
大学に行くかどうかまだ決めていないのですが、興味はそれなりにあります。心理学を学んでみたいですね。人がどういうふうに考えて行動しているのかを学べば、商品を売るときに役に立ちそうだなと思うので。知人の心理学をやっているマーケターも頭良く見えるんですよ。
――将来どんなふうになりたいですか。
基本的にはフリーランスやりたいんですが、ただ一人でいるのは怖いので、同じようにやっている人をつなげて、全体でお仕事をやっていくみたいなスタイルが作れればいいなと。会社じゃないけど、個人同士が繋がって一つの仕事をするみたいなのが理想です。
「まずはお金がないと」とは思っているので、それなりに稼ぎたいですね。でも収入って一定以上稼げたら、あとはどんなに収入が増えても幸福度が上がらないとも言われているので、収入以外の幸せの軸を見つけていきたいと思います。
インタビューを終えると「緊張しましたー」と一息つき、表情が緩んであどけなさが戻った。帰る支度をしつつ、雑談で「趣味はなんですか?」と問うと迷うことなく「仕事です」と答えてくれた。
<取材・文/HBO編集部>