’20年の世界経済を占ううえで見逃せないのが
アメリカ大統領選。ファイナンシャルプランナーの
横山利香氏は「大統領選挙がある’20年はこれまでのような景気対策を打ちにくいので、
どのような選挙対策を行ってくるのかに注目」と指摘。さらに第一生命経済研究所の
永濱利廣氏は「’20年前半は循環的景気持ち直しの顕在化でリスクオンの余地はあるが、’20年後半は
大統領選の不確実性や’21年以降の米中摩擦激化懸念などによりリスクオフを想定すべき」と警告する。
当然、大統領選の趨勢はそのまま世界経済に影響を及ぼす。エコノミストの
中原圭介氏が「米中貿易摩擦に引き続き、米欧貿易摩擦が激化する懸念がある。
注目すべき指標は、世界経済を牽引するアメリカの個人消費」と指摘したほか、「米中貿易摩擦による業績悪化が’15年のチャイナショック時のように一時的な影響にとどまれば、製造業を中心とした
業績回復期待を背景に堅調な相場が期待される」(証券アナリスト・
山田大志氏)、「
米中貿易摩擦の一部緩和などにより世界経済の減速に歯止めがかかりそうな気配もある」(西原会計事務所・
西原憲一氏)と、それぞれ超大国の動向を最注目に挙げた。
それでは、’20年に目をつけておくべき投資対象はどこなのか。株式アナリストの
宇野沢茂樹氏は「世界的な低金利でバブルが発生する土壌は整っている」と指摘。
「特に第四次産業革命に絡んだ銘柄を中心とした
グロース系銘柄に資金が流入し、20年前のITバブル期のような相場展開となる可能性は十分にあります」
国内に目を向けると「
東証の再編問題が最大の注目点」と語るのは財産ネットの
藤本誠之氏だ。
「マザーズ、東証2部から東証1部指定替えの基準が40億円から250億円に引き上げられそうなため、東証1部への駆け込み指定替えが増加しそう。指定替えが期待できる銘柄に要注目です」
ファイナンシャルリサーチ・
深野康彦氏は「日本市場は
親子上場の解消によるTOB、子会社売却が増えると予想される
。親子上場会社の子会社が狙い目」と明かした。
「’19年同様、
市場関係者の『注意しましょう、警戒しましょう』の言葉に注意」(ストックウェザー・
櫻井英明氏)しつつ、五輪イヤーの相場を乗り切る準備を進めたい。
※株価は’19年12月19日 自由回答による個別銘柄への言及をもとに掲載
<取材・文/SPA!編集部>