韓国公営放送MBC、「週刊ポスト」が徴用工証言を歪曲報道と批判。真相はいかに?

韓国・MBC放送の取材では全く反対の証言が

 韓国・MBC放送は「週刊ポスト」の記事を受け、「証言」の当事者である崔漢永氏にインタビューを行っている。  以下は、韓国・MBC放送の取材によるもの。  ”問題となった記事は、日本の大手出版社が出版する「週刊ポスト」に掲載された。  文在寅政府が隠す、徴用被害者たちの肉声を入手したとの触れ込みで、4名の実名インタビューを掲載したが、「虐待した日本人はいなかった」、「日本人が、韓国人よりも良かった」と言ったという記事。「既に高齢で、金銭的な補償は望んでいない」という信じ難い証言も登場する。 (週刊ポストの)取材チームがインタビューをしたという、1928年生、今年92歳になる崔漢永氏に会ったところ、先月末に開かれた「強制徴用関連の懇談会」に日本の記者が突然訪れインタビューを求められたという。 (崔漢永氏のインタビュー映像)「私一人でご飯を食べていたら、(日本の記者が)福祉会館に自動車まで持ってきて、補償金はどれくらい貰ったのかを聞き、私を車に乗せ自宅まで…」”  放送では崔氏のインタビューを続ける。  以下は、崔氏の証言。崔氏の声は憤っている。 ”「日当はその日の飯代にしかならなかった。取っつかまって3年間も炭鉱で働かされたのに、補償をされないなんて話にもならない。何故、補償をもらわない? 謝罪も必要だし、被害補償も必要だ」”  崔氏の証言は、週刊ポストのそれとは全くもって正反対だ。  放送には、そのインタビューに付き添った(とオンエアでは紹介されている)、元徴用工の息子でもあり、韓国で強制徴用被害者連合会の代表も務めているチャン氏の「(日本が)『補償も謝罪も必要ない』と歪曲して報道すれば、徴用被害者たちの声も弱化させることが出来ると思っている」というコメントも添えられている。  韓国の強制徴用関連団体は、被害者たちの名誉を著しく棄損したとして法的な手続きを進めるとともに、駐韓日本大使館にも抗議訪問するという。

「ポスト」と「MBC」、どちらが真実か?

 かつて「週刊ポスト」は、「韓国なんて要らない」という特集記事を掲載し、「10人に1人は治療が必要-怒りを制御できない『韓国人という病理』」に代表されるバッシングを超えた韓国ヘイト記事は、内外の著名人からの批判を浴びている。(※同記事については謝罪文を公表)  今回の元徴用工の証言も、韓国MBC放送のインタビューが真実であれば、歪曲どころの騒ぎではない。完全なる捏造記事であり、その根底には悪意が蠢いている。  しかし一方で、証言者の代表でもある崔氏が週刊ポストとMBC双方に異なる証言をしたとの推測も出来る。つまり、「週刊ポスト」に対する証言も崔氏の言葉であるが、MBCの取材では違うことを言ったという可能性も否定できない。  記事を執筆した赤石氏は、自身のTwitterで以下のようにツイートしている。 ”韓国MBCのニュース番組で私の記事が糾弾されたようです。証言を真摯に伝えたつもりです。だが韓国メディアでは証言者の一人が違うと言い出したようで。現場には存在しなかった同席者まで現れたようです。”(赤石氏のツイートより) ”一部でご心配をおかけしています、韓国MBCの件ですが。取材は某テレビ局のカメラも入っており、ダブルチェックも出来ていたと思っています。なぜ、あんな形になったのか。詳しい経緯については、いつか書きたいと思っています。”(  赤石氏がいう「現場には存在しなかった」人物はMBCの放送分では先述した通り「付き添った」とされており、この点でも双方の証言が食い違っている。  「週刊ポスト」の記事と、MBC放送の取材と、どちらの証言が真実なのか。  インタビュー時の音声も間違いなく録音もしているのだろう。赤石氏が言うように「某テレビ局のカメラ」が入っているのであれば、動画も押さえている可能性すらある。
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「インタビュー取材の記録に基づいて、正確に記事にした」と週刊ポスト編集部
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