漫然と通貨ペアを選んではいけない! 勝てる通貨ペアはこう選ぶ。10万部超のFX本の著者、田畑昇人氏に聞く

「通貨単体」の動きも見逃すな!

カレンシーストレングス・チャート

ファンダメンタルズとIMMのポジション情報を生かしたトレード実例・通貨単体の強弱を比較して把握する!
図は通貨単体の強さを表す「カレンシーストレングス・チャート」。相対的な強さを把握することができる

 ただし、ファンダメンタルズの材料が出ても相場が反応しないこともある。 「インターネット上では、通貨ペアではなく通貨単体の値動きを見られるチャートがあります。例えば米ドル/円が上がっているとき、ドル高での上昇なのか、それとも円安での上昇なのか判断に迷うこともあります。そんなときに通貨単体の動きを見ると、どの通貨が主導して動いているのかを把握できます」  次に確認するのがポジション状況。大口投機筋のポジション状況が把握できるIMM(シカゴ・マーカンタイル取引所の国際通貨先物市場に上場されている通貨の建玉明細のこと)や、FX会社が発表する売買比率だ。

「プロのポジション」はこう読み解く

「IMMはプロの、FXは個人投資家のポジションを示していると考えられます。当時、ユーロについては両方とも売りに偏っていました。ファンダが示唆する方向はユーロ買い、ポジションはユーロ売りと反対向きですから、ユーロが買われて上昇すれば『踏み上げ相場』となり、売りポジションを手仕舞いせざるを得ないプレイヤーが多数出てくる。期待値の高い場面です」  この戦略をもとに田畑氏はECBからECB直後の高値1.13を目安に押し目買いを続けた。 「米雇用統計が悪い数字となったことがトリガーとなり、ドル安が進んだことからユーロ/米ドルは1.13をブレイクして上昇してくれた。1.135手前で利益確定し、70pipsほどの利幅となりました」  利益確定の目安となったのが、次回説明するテクニカル分析だった。 【田畑昇人氏】 大学在学中にFXを開始するも、元手を溶かした苦い思い出を糧に、日夜研究に没頭。「時間帯への意識」「ダウ理論」そしてオアンダが公開しているポジション情報から相場の心理を読み解くことを軸にしたトレード手法を編み出し、勝ち組トレーダーの仲間入りを果たす。公式ブログでは使用しているインジケータや参考になった書籍の情報も公開している。
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公式ブログ:https://shototabata.com/

武器としてのFX

ベストセラーとなった「東大院生が考えたスマートフォンFX」の著者が
たどり着いた答えは、VIX指数だった。
相場の恐怖感を表すこの指標をいったいどのようにトレードに生かすのか。
初心者~中級者向けだった前著より一歩踏み込んだアップデート版は、
タイトル通りすべてのトレーダーの武器となるだろう。