Photo by Takashi Aoyama/Getty Images
ジャーナリストの伊藤詩織氏が、
元TBS記者で『総理』の著者として知られる山口敬之氏にレイプされたと1100万円の損害賠償を求めていた裁判で、18日、東京地裁は「
酩酊状態で意識がない伊藤さんの同意がないまま性行為に及んだ」と認定し、山口氏に慰謝料330万円の支払いを命じた。
日本だけではなく、世界的にも注目されていた今回の訴訟。伊藤氏は先日行われた世界的ロックバンド・U2の来日公演でもスクリーンに映し出されるなど、
#MeToo運動の象徴的存在として知られている。
それだけに、今回の判決は世界中のメディアが報道するところとなった。いち早く報じたメディアのひとつが、同じアジアの『
アルジャジーラ』だ。(参照:
ALJAZEERA)
“伊藤氏は
安倍晋三首相と近しい接点のある元テレビジャーナリストの山口氏に対して、2015年に仕事の話をしようと夕食に誘ったのち、彼女をレイプしたと訴えており、1100万円を求めていた”
“
捜査開始までに何週間もかかった警察は、伊藤氏に対して山口氏を
逮捕すると言いながら、引き下がったと彼女は話した”
“(検察が起訴しなかったことに対して)当時野党からは
山口氏が安倍氏と近しかったことから、特別扱いをされたのではないかという疑問が出た。菅義偉官房長官は事件に関して不正は一切ないと否定した”
“日本は2017年に強姦の最短刑期を3年から5年に引き上げ、初めて強姦被害者の範囲を男性にまで広げた。しかし、この改正には議論の余地のない要件が残されている。検察側は
暴力、もしくは脅迫があったか、「被害者が抵抗することができなかった」ということを証明しなければいけない。研究者や活動家、精神科医からはさらなる法改正を促す声があがっている”
日本の法制度や警察機関に問題があると指摘しているのは、『アルジャジーラ』だけではない。イギリスの『
BBC』など、多くのメディアが同じことを報道している。(参照:
BBC)
“伊藤詩織氏は2015年に
意識を失っている状態で山口敬之氏にレイプされたと訴えた。伊藤氏は
人々が滅多に性被害を通報しない国の#MeToo運動のシンボルとなった”
“警察によって捜査は行われたものの、証拠が不足していると打ち切られた。
伊藤さんは男性警察官が見ている前で等身大の人形を使って、レイプされた様子を再現させられたと語った。2017年の政府の調査によれば、
レイプ被害者のわずか4%しか警察に通報していないという”
女性警察官の不足や、こうした、まるで
セカンドレイプかのようなトラウマを蘇らせるような捜査方法は世界から非難を浴びているだけでなく、女性が助けを求めづらくなってしまう大きな要因ともなっている。