ルノー・日産・三菱の企業連合(アライアンス)におけるカルロス・ゴーンの後継者がついに決まりそうだ。
スペイン紙「
LA VANGUARDIA」が報じたのは、スペインを代表する企業の1社に成長した自動車メーカー「セアット(SEAT)」のCEO、ルカ・デ・メオ(53)が、ルノーグループに先ずジェネラルマネージャーとして就任し、2年後にはCEOとなってカルロス・ゴーンに代わってルノー・日産・三菱アライアンスを統括する役目を担うことがルノーでは決められたということ。
これを受けて、
日本の朝日新聞なども報じた。
ルノー側もセアット側も報道を否定しており、このアライアンスの今後の成り行きは未定だとしても、ルノーグループではカルロス・ゴーンに代わる人物としてルカ・デ・メオの就任をほぼ決めているようだ。(参照:「
El Periodico」)
ルカ・デ・メオはイタリアのミラノ出身でイタリア随一の私立ボッコーニ大学を卒業して25年間自動車業界で活躍している人物だ。最初にルノーに入社した後、トヨタヨーロッパ、フィアット、フォルクスワーゲンからセアットに勤務するようになって現在に至っている。
フィアットでは500シリーズの市場への導入でまだ40歳に満たなかったルカ・デ・メオが大活躍した。その後2009年にマーケティング部長としてフォルクスワーゲンに入社。それからアウディーに移りマーケテイングと販売のトップに就任。フォルクスワーゲンにおいてドイツ人でもオーストリア人でもなくして社内で昇進して行った人物だ。ルカ・デ・メオがフォルクスワーゲンの傘下のセアットのCEOに就任したのは2015年だった。彼のセアットでのこの4年間の経営で同社を世界的に注目される企業に成長させたのである。
セアットはもともとフランコ独裁時代に国策として誕生した自動車メーカーである。当初はフィアットから技術支援を受け、その後フォルクスワーゲンが1982年に自社の傘下に収めた。創業から69年の歴史を持つセアットにルカ・デ・メオがCEOとして経営に携わるようになってから同社が成長している証として新たに2000人が雇用されて6800人を抱える企業に成長。協力企業を含めると凡そ1万5000人がセアットに依存している。また、昨年だけでも12億ユーロ(1400億円)の投資を実現させている。日毎に3500台が生産され、今ではカタルーニャGDPの2%を担うまでになっている。