まあ、この程度のおバカ発言は、自らの疑惑に何一つ答えず平然と改憲への執念を語る卑劣な輩より全然マシではある。
(COP25で記者会見する小泉進次郎環境相/時事通信)
12月2日から13日まで開催されたCOP25。来年から本格的に始まる「パリ協定」を前に地球温暖化対策を議論する会議だが、その裏で日本が
「化石賞」なるものを受賞したことが話題となっている。
「化石賞」(Fossil Award)とは、COPや国連気候変動交渉会議の会期中、
温暖化対策に対する姿勢が積極的でない国に対して授与される賞で、映画界でいうゴールデンラズベリー賞=ラジー賞のような皮肉が込められたものだ。
要するに「温暖化対策に消極的でしたね! おめでとう!」と釘をさすものなのだが、この受賞に対して小泉進次郎環境相が驚きのコメントを発したことがNHKなどによって報道されている。(参照:
NHK NEWS WEB)
「驚きはない。受賞理由を聞いて
私が演説で発信した効果だと思った。
的確に国際社会に発信できていると思う」
繰り返しになってしまうが、
化石賞は温暖化対策に消極的な国に贈られるものだ。その皮肉が全く理解できていないのか、あるいは
あの演説が「日本の稚拙さをアピールする」ためという高度に戦略的なものだったのか、そもそも「よくわからないけど賞をもらったのは私のおかげ」と、とにかく自慢をしたかったのかは不明だが、
ドヤ顔で「私が演説で発信した効果」と誇る賞でないことは確かだ。
これまでもイケメンフェイスで爽やかに聞こえのいいメッセージを発しながら、まるで実が伴っていない小泉環境相だが、今回のCOPでも
石炭火力発電に対して具体的な言及がなかったことが受賞の一因とされている。
また、
梶山弘志経産相が火力発電を維持する方針を打ち出したこともマイナスとなっている。
実は
日本が化石賞を受賞するのは初めてではない。同賞は
気候変動ネットワーク(Climate Action Network)という環境NGOをまとめる団体が主催するもので、賞にはCOPなどの会期中毎日発表される「
本日の化石賞」と「
年間化石賞」の2種類がある。
残念ながら、これまでも日本は
度々化石賞を受賞している。以下にその受賞理由をいくつかまとめてみた。(参照:
Climate Action Network International)
「昨日、12月11日は京都議定書の誕生日だった。しかし、京都が年を重ねる一方で、
日本の交渉は成長する様子が見られない。(中略)日本よ、かわいそうなバースデーガールを置いていかないで!
我々は新しい政権が変化をもたらすと思っていたが、自民党と民主党、どっちが権力を持っているのだろう。今夜到着する小沢環境相が、なぜ日本の交渉が京都のように成熟してくれないか説明してくれるかもしれない!」(2009年)
「日本はこの日唯一『本日の化石賞』を受賞するという不名誉を被った。これは月曜日の国連気候会議で、
自らの都市・京都で合意された議定書の継続を妨げたことによるものだ」(2010年)