間違いだらけの「One on Oneミーティング」はもうたくさん。ダメ出しオンパレードでモチベーションを下げるだけ

 近年、定期的に「One on One」を実施する企業が増えている。One on Oneとは、上司と部下、先輩と後輩、コーチングする人とされる人などで、一対一で面談することだ。「One for One」とも言う。

形骸化したOne on One

ミーティングの様子

photo via Pexels

 年度始めの目標設定面談、半期や四半期などの期末の進捗管理面談、期末の評価面談などに加えて、例えば一か月に一度などというように頻度を決めて、定期的に面談する。上司や先輩が、部下や後輩の状況をしっかり把握して適切な指導や助言し、部下や後輩のパフォーマンスをさらに上げようとする目的だ。  しかし、このOne on Oneについての相談が実に多い。「いったい何をすればよいのかわからない」「どのような話法を繰り出せば効果的なのか」「メンバーが話してくれない」「効果を実感できない」というのが、上司や先輩側からの相談だ。  一方、部下や後輩側からは、「圧迫感があり苦痛」「実施するたびに嫌な気分になる」「モチベーションが形骸化する」「時間の無駄」という声が挙がる。かくして、上司や先輩側も部下や後輩側も会社がやれと言うからやっているだけで、One on Oneが形骸化してしまっていると言えそうだ。

ダメ出しオンパレードがモチベーションを下げる

 One on Oneで実施されていることを再現してもらうと、形骸化してしまっているOne on Oneには共通の特徴があることがわかった。ひとつ目の特徴は、One on Oneでやることが決まっておらず、個々の上司や先輩に一任されていることだ。  現場の状況を尊重する、上司や先輩の試行錯誤が大事だと言えば聞こえはいいが、やり方についての基本の型がないので、各々の上司や先輩でやり方がまちまちになってしまう。これでは、上司や先輩側も、部下や後輩側も戸惑うのが当たり前だ。  そして、最も多くみられるパターンが、上司や先輩側がよかれと思って、あれがだめだ、これがだめだとダメ出しをする面談に終始してしまう。その結果、部下や後輩側は、モチベーションを下げ、そして、パフォーマンスを下げてしまうという本末転倒な結果になってしまう。
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