セブ島での「ミライズ留学」も国内の「ミライズ英会話」も順調だが、呉代表は「英会話スクールの域から飛び出していく」と今後の展望について語る。
「私たちは『世界への挑戦をもっと身近に』とのミッションを掲げています。では、世界への挑戦がそもそも身近でない要因は何なのでしょうか。私は、3つあると考えています。
一つ目は、
語学。アリババ時代では、英語に抵抗を持ったがゆえに挑戦に尻込みする方をたくさん見てきました。でも、語学ができればコミュニケーションをとれる人が増え、いろんな体験をする機会をつかめます。具体的には、『ミライズ英会話』でのレッスンを変えていこうと考えています。現在でも受講生ひとりひとりの目的に合わせたカリキュラムを組み、マンツーマンレッスンを行なっています。しかし今後は、テクノロジーを駆使し、さらに質の高いレッスンを目指します。
二つ目は、『
教育のあり方』。どんなに語学が堪能でも、計算ができない、読み書きがあまりできないでは困りますよね。現状の世界は、お金がある家庭に育った子どもほど良質な教育を受けられる仕組みになっています。これはフィリピンだけでなく、日本でも同様です。お金のあるなしにかかわらず、誰もが良い教育を受けられる仕組みをつくれないかを真剣に考えています」
呉代表が最後に挙げるのは「
国」の壁だ。国籍や文化、考え方の違いから相互理解が進まないのはもったいない。相手との違いを受け入れ、良い部分を積極的に取り入れていく柔軟性を持てたら、社会はもっと良くなるとの考えだ。
「自分は何人なのか」というルーツの探求やフィリピンで目の当たりにした教育格差の原体験が、語学教育に熱意を注ぐ原動力になっている。
社名の「MeRISE(ミライズ)」は、Me(各自)がRISE(上昇する)という意味で、その先に新しい「未来図」が訪れるという意味が込まれている。
会社の未来のみならず、世界の未来を考えて行動する呉代表の笑顔が印象的だった。
<取材・文/薗部雄一>
1歳の男の子を持つパパライター。妻の産後うつをきっかけに働き方を見直し、子育てや働き方をテーマにした記事を多数書いている。