ウーバージャパンは配達員は「労働者」に該当しないと主張
同ユニオンは、2019年10月3日に発足した。5日後の10月8日に、組合はウーバージャパン株式会社に対して、団体交渉を申し入れた。内容は、(1)事故や怪我の保障が充分なのかの調査依頼、(2)一方的なアカウント停止に対しての協議、(3)距離報酬の計算基準の説明、など。
10月18日、
ウーバージャパンは団体交渉を拒否した。理由は、(1)
配達員はオランダに所在するウーバーポルティエBV社と契約をしているから、(2)
配達員は労働組合法上の「労働者」に該当しないから。
これに対して記者会見では、日本労働弁護団の川上資人弁護士が反論。配達員は労働者に当たると主張した。
「判例をみると、労働者に当たるかどうかは、3つの観点から判断されるべき。(1)事業組織の組入れ、(2)契約内容の一方的決定・定形的決定、(3)報酬の労務対価性が認められるかといったもの。ウーバーの配達員は、外食配達事業の配達員として事業に組み込まれている。今回の報酬引き下げは一方的であり、報酬は配達員の距離といった労務提供の多少で決まるので、報酬の対価性は明らかだ」
今後、組合側は労働委員会に不当労働行為救済の申立てといった対応を検討しているとのこと。
<取材・文/板垣聡旨>
ジャーナリスト。ミレニアル世代の社会問題に興味がある。ネットメディアを中心に、記事の寄稿・取材協力を行っている。