「事故物件」は投資対象になるのか? 入手から運用までそのノウハウとリスク

下手に悪徳業者に引っかかるよりリフォーム済み物件を選ぶ手も

 一方、不動産業者によるリフォーム済み物件でも諸費用を抑えられることがある。事故物件買い取りを専門に、遺品整理や清掃・リノベーションまで一手に行うアイコム代表の坂田大地氏は、「何社にも個別に頼む場合と比較すると30~40%は節約できる」と話す。プロがリフォーム原価を逆算して買い取っているため、通常より200万~500万円程度得になることは確かだという。下手に悪徳業者に引っかかるよりは安全だ。  あとは、運用形態次第。気になる立地を日頃、チェックしてみるといいだろう。

入居者が死亡しても安心!? “事故物件保険”とは

 もし、所有物件が事故物件になったら……?という不安は、不動産投資家には付き物。そこで転ばぬ先の杖となるのが、事故物件に対応する保険商品だ。

多くの種類があり、加入条件もさまざま。保有物件に合ったものを選ぶことが肝心だ

 例えばアイアル少額保険の「無縁社会のお守り」は一戸あたり月額保険料300円で、遺品整理・原状回復費用を100万円、家賃保障を200万円まで受けられる。さらに、家賃保障は最長12か月適用される。ただし、4戸以上の物件を保有していること、集合住宅の場合全室加入する必要があるなどの制限がある。  あそしあ少額短期保険の「大家の味方」は、災害や殺人を含む入居者の死亡に対応し「修理費用担保特約」を付ければ、修繕費用を最大300万円まで補償。ただし加入条件は1棟単位で、管理会社があそしあ代理店の場合のみだ。 【深山源氏】 MIO・PRESIOUS CEO。事故物件やトラブル物件を権利者から購入し、供養から原状回復を行う。弁護士他専門家の力を集結し不動産の再生に取り組む。家相・気学鑑定士 【大熊 昭氏】 ハッピープランニング代表。住宅建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー、任意売却エージェント。事故物件を専門に取り扱い、範囲は東京都葛飾区を中心に千葉、神奈川、埼玉県 【坂田大地氏】 不動産買取アイコム代表。事故物件などワケあり物件の現状回復、特殊清掃、遺品整理から買い取り、リノベーション、解体工事までをワンストップで行う。対応範囲は全国 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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