被害者自身が激白。[投資詐欺]の最新手口

手口3 堅実そうな積立投資にも詐欺の魔の手が

 一発逆転を狙う投機案件ではなく、より堅実そうな積み立て投資でも詐欺被害が続出している。前出のJACK氏が教えてくれた。 「毎月500ドルで25年間積み立てすると満期時には1億円の資産形成ができているという触れ込みで、セミナーが頻繁に行われています。代表的なものが、ロイヤルロンドン(RL360)実在する商品ですが、日本国内で販売されていない金融商品で正しい情報が出回っていないのをいいことに、利回り10%で絶対に儲かるなどと嘘をついて契約させています。実際には上がるか下がるかなんてわからない普通の投資商品なのですが、実は年間手数料が他の金融商品よりも著しく高い7・5%で、他のオフショア商品と比較検討する説明は一切ありません」  実際はマイナス運用で元本割れという人がほとんどだという海外積み立て投資詐欺。さらに恐ろしいのは、FPなどお金の専門家として信頼のある筋からも紹介されることがあるということだ。 「実は、紹介した人に高額なマージンが入る仕組みになっている、ねずみ講なんです。コンプライアンス意識が低下してきているのか、通常の相談業務だけでは食えなくなったのかはわかりませんが、最近では明らかにリスクが高い金融商品や詐欺が疑われる投資案件の勧誘を行うFPが増えてきています。これからは、自分のお金は自分で守らなければならない時代になりつつあるのです」

手口4 仮想通貨では高配当を謳う財布型が流行

 仮想通貨をウォレットに預けておくだけで毎日高配当がつくと標榜し、詐欺案件を量産したHYIP(ハイプ)。今年7月に運用開始したVRBウォレットもHYIP案件の一つだった。
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アプリダウンロードの際には、『appは検証できません』というポップが出るなど怪しさ満載

「仮想通貨グループでVRBを勧められ、付き合いで仕方なく入金しました……」  そう肩を落とすのは投資家の兼本氏(仮名)。仕組みは、保有している仮想通貨をサービスに預けておくだけで配当がつくという典型的なものだった。 「利回りは月利9~25%。そして、マルチ商法のように孫、ひ孫とつくることができ、追加で配当がつくという触れ込みでした。サービス開始直後は独自トークンのVRTも毎日3%ペースで価格が上がっており、実際に一日2000ドル以上儲けているホストや学生までいたそうです」  しかし、サービス開始からたったの3か月で、VRBウォレットはあっけなく出金停止に陥った。 「紹介した人も『俺は運営と繋がってるから辞め時も完璧』なんて豪語していましたが、結局逃げられたのは一部。自分らはグループ全員で大損をこきました。確かにHYPEのようなポンジスキーム系の投資詐欺は、いち早く始めてイナゴが湧く直前に撤退することができれば儲けることができるかもしれません。でも、人間欲が出るし絶対に飛び時を見誤るもの。手を出さないに越したことはありません。でも、小さなコミュニティで誘われたから断り切れなくて……やれば損失、やらなかったら裏切り者ですからね」  詐欺師は日本人特有の集団心理を巧みに突いてくる。断る勇気も必要だ。  数多ある詐欺商法に騙されぬよう、用心されたい。 【JACK氏】 不動産会社を経営する傍ら、投資家として活躍。過去に数々の投資詐欺に遭った経験を生かし詐欺啓蒙活動を行う。 【嵩原安三郎氏】 京都大学卒。’07年にフォーゲル綜合法律事務所を開所し、現在は読売テレビ『情報ライブミヤネ屋』『あさパラ!』など各種メディアでも活躍
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