今年は台風で中止になったJR四国高知運転所一般公開の2007~2017記録を振り返る!

11年前に高架移転した高知駅

 高知運転所の構外移転によって発生した空き地を利用して高架駅が建設され、2008年2月26日に高知駅は高架移転しました*。このため高知駅南側の駅前広場は妙に広くなっています。 〈*高知駅付近高架化に伴う線路切替工事 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)予稿くじらドームと連続立体交差事業について2011/05/20 高知県庁〉  高知駅高架移転の9日後に偶然通りかかった際に撮影した写真がありますので、ご紹介します。地上駅は、取り壊しまでの間、駅前南広場からの自由通路に転用されていましたので珍しい写真を撮影することができました。
移転9日後の高知駅旧駅舎出札口

移転9日後の高知駅旧駅舎出札口2008/03/06撮影 牧田寛
現駅舎の南駅前広場に相当し、自由通路となっていた

移転9日後の高知駅旧駅舎改札口

移転9日後の高知駅旧駅舎改札口2008/03/06撮影 牧田寛
現駅舎の南駅前広場に相当し、自由通路となっている。
改札口は撤去され商店は移転している。
旧本線の上に仮設通路が渡してある。

移転9日後の高知駅旧本線

移転9日後の高知駅旧本線2008/03/06撮影 牧田寛
仮設された自由通路から下り方面(伊野方)を撮影。
すでにホーム屋根の解体が始まっている

移転9日後の高知駅旧駅本屋と1番線

移転9日後の高知駅旧駅本屋と1番線2008/03/06撮影 牧田寛
仮設された自由通路から下り方面(伊野方)を撮影。

移転9日後の高知駅旧1番線と2番線

移転9日後の高知駅旧1番線と2番線2008/03/06撮影 牧田寛
仮設された自由通路から下り方面(伊野方)を撮影

移転9日後の高知駅旧3番線

移転9日後の高知駅旧3番線2008/03/06撮影 牧田寛
仮設された自由通路新駅本屋側から下り方面(伊野方)を撮影

移転9日後の高知駅旧留置線

移転9日後の高知駅旧留置線2008/03/06撮影 牧田寛
高架駅本屋の北側から下り方面(伊野方)を撮影

移転9日後の高知駅旧1番線と2番線

移転9日後の高知駅旧1番線と2番線2008/03/06撮影 牧田寛
仮設された自由通路から上り方面(土佐山田方)を撮影

開業9日後の高知駅改札口

開業9日後の高知駅改札口2008/03/06撮影 牧田寛
四国初の自動改札機なので案内のために職員が配置されていた
現在もJR四国内には香川県の一部と高知駅を除き自動改札機は無い

2002年郊外移転後の高知運転所(布師田車両基地)

 2002年に高知運転所は、高知市郊外の田園地帯である布師田に移転しました。現在は、国道195号線バイパス(あけぼの街道)が敷設されていますが、当時は、まわりに古い集落と田畑しかありませんでした。  国土地理院空撮写真からも分かるように、敷地は広く合理的な配置で、転車台も置かれています。地方の運転所としては良くできているのではないでしょうか。  この一帯は、98高知大水害(1998)では1〜3m程度の浸水となりましたが、2mほど土地がかさ上げされています。また、肱川大水害シリーズでも触れたように、高知大水害で大規模氾濫を起こした国分川(こくぶがわ)は、その後治水対策が大幅に強化されています。
現在の高知車両所・布師田車両基地

現在の高知車両所・布師田車両基地2017/04/30撮影 国土地理院
最寄り駅は、写真右の布師田駅
写真左上は、土佐一宮(とさいっく)駅
写真右下は国分川
国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス

 今回は、高知運転所の外観写真をご紹介します。写真は、天候の良かった2014年と2015年撮影のものを使いました。  一般公開イベントでは、高知運転所まで、高知駅からシャトル列車が運行されますが、最寄りの布師田駅からも徒歩ですぐです。また一時駐車できる場所も十分にあります。  高知車両所のイベントには2007年頃から参加していますが、移転後15年以上たってもきれいに保たれています。  建屋は、検修事務所、検修車庫、転削機(車輪旋盤)の三つで、他に幾つかの倉庫等があります。転削線(車輪削正線)には、十分な有効長があって、南風やしまんとなどの特急列車の編成に対応できています。転削周期は、特急車両で45日程度、普通車両で1年半程度とのことです。  高知運転所は、敷地境界に沿って敷地の東側と南側に農道が通っています。北側も少し離れて農道が通っておりますし、視界を阻むものがありませんので眺めながらぐるりと敷地外周を回ることができます。  かつては、国鉄型気動車が多数配置されており、ムーンライト高知向けの客車編成も留置されていましたので、日々変化が大きかったのですが、2008年に国鉄キハ58系が営業から外れて以降、ムーンライト高知の廃止、キハ54の松山への配転などもあって現在ではJR四国2700系、2000系、1000形、国鉄キハ32形のみの配置となっています。  但し時々、イベント列車など変わり種列車が留置されていることがあります。  今回のご紹介はここまでで次回は、いよいよ場内に入り、屋外展示をご紹介します。
JR四国高知運転所正門

JR四国高知運転所正門2014/10/18撮影 牧田寛

JR四国高知運転所正門前から見た布師田駅

JR四国高知運転所正門前から見た布師田駅2014/10/18撮影 牧田寛
駅前の資材置き場がイベント中の仮設駐車場となっている

JR四国高知運転所入り口

JR四国高知運転所入り口2015/10/17撮影 牧田寛
手前右が検修事務所
右奥が検修車庫

JR四国高知運転検修事務所

JR四国高知運転検修事務所2014/10/18撮影 牧田寛
公共交通系の事業所の常で小さな祠が祭ってある
この祠には、「祠(四コチ)」というポケモンジムがある

JR四国高知運転所南側外周

JR四国高知運転所南側外周2015/10/17撮影 牧田寛
正面玄関横の農道に広い場所がある
軌道自転車(レールスター)乗車体験は、転削線(てんさくせん)でおこなわれている

JR四国高知運転所南門

JR四国高知運転所南門2015/10/17撮影 牧田寛
イベント中ここからの出入りはできない
かつては国鉄型のキハ58やキハ185などがたくさんいたが、現在はJR四国1000形、国鉄キハ32形、JR四国2000系に加え、今年からJR四国2700系となっている

1年前の同地点からイベント列車のアイランド・エクスプレス四国2国鉄185系気動車

1年前の同地点2014/10/18撮影 牧田寛
イベント列車のアイランド・エクスプレス四国2国鉄185系気動車が入線している。
中央奥のJR四国1000形気動車は前方左の窓が潰されているが、これはトイレ設置改造によるものである。現在は全車改造済

JR四国高知運転所南門

JR四国高知運転所南門2015/10/17撮影 牧田寛
国鉄キハ32形がズラリ

JR四国高知運転所一宮方南側から

JR四国高知運転所一宮方南側から2014/01/05撮影 牧田寛
左からキハ32形、検修車庫、転削機(車輪旋盤)
手前の線路は、転削線(車輪削正線)

一宮方の本線を下る土佐くろしお鉄道9640-3

一宮方の本線を下る土佐くろしお鉄道9640-3 2014/01/05撮影 牧田寛
後方は、国道195号線(あけぼの街道)布師田陸橋

北側から撮影した高知運転所

北側から撮影した高知運転所 2014/01/05撮影 牧田寛

◆コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」JR四国高知運転所一般公開編1 <取材・文・撮影/牧田寛>
Twitter ID:@BB45_Colorado まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについてのメルマガ「コロラド博士メルマガ(定期便)」好評配信中
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