相手の決断を引き出すもっとも効果的な方法。「もしも」を使えばそこに辿り着ける

「商談をしていても、お客さまの反応がわからない」「そもそもお客さまの発言を促せない」「どのようにして、発言を促せばよいか」という相談に接することがある。「この商品を購入されますか」「気に入りましたか」「いかがですか」と聞いても、答えてくれなかったり、買う気があるのかないのかわからないいというわけだ。

無理な売り込みは逆効果

セール品イメージ

photo via Pexels

 すると、答えてくれないから、自分の売り込みが足りないと思って「いい商品ですよ」「他にないですよ」「価値がありますよ」と言ってしまう。しかし、お客さまは買う気になるかといえば全く逆で、むしろ尻込みさせてしまう。 「何か言ってください」「気に入ったかどうかだけでも聞かせてください」と畳みかければ畳みかけるほど、相手は発言するようになるかといえば、全く逆で、貝のように相手の口を閉ざしてしまう。しまいには、関係が悪化してしまうことも少なくない。  果たして、お客さまの発言を促す方法はあるのだろうか? このように投げかけると、「それは相手の買う気がないのだろうから諦めるしかない」「相手が話す気もないのだから、もはや聞いてもしょうがない」と、売る側も諦観をもってしまう。  筆者はこれまで営業スキルをその場で向上させる演習を実施してきて、お客さまの発言を促すことができる話法があることがわかってきた。それが、「仮定の質問を用いる話法」だ。

仮定を示して発言を促す

「この商品を購入されますか」と質問する代わりに、「仮に、この商品が○○だったら、購入されますか」というように、仮定に加えて質問を繰り出す方法だ。「仮に、価格が予算内だったら、購入されますか」「仮に、オプションが自在に付けられるのであれば、購入されますか」「仮に、限定モデルが手に入るのであれば、購入されますか」というようにだ。  仮定を置くことで、検討の範囲が価格やオプションや、モデルのそれぞれの観点に狭めることができるようになり、答えを促しやすくなる。  また、「価格が低いです。購入されますか」「オプションが自在に付けられます。購入されますか。」「限定モデルが手に入ります。購入されますか」というように前段のフレーズを断定してしまうよりも、仮定で示したほうが相手の抵抗感を下げることができて、発言を促しやすい。
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