合意なき決定で、負担を押しつけられ、批判までされる状況に北海道出身者が思うこと

北海道出身者として心配のタネが尽きない

 これはなぜか。やはりそこには、よく言われる北海道の道民気質が関係しているだろう。もちろん人によって違いはあるのだが、県民気質本にある「サバサバしている」「熱しやすく冷めやすい」「楽天的だが無責任」などの特徴は、元住民として納得せざるをえない。  よく言えば「おおらか」だが「アバウトすぎる」のだ。地元の方言で「いいんでないかい」と言うのだが、多少問題があっても「ま、なんとかなる」と深く考えずにやりすごしてしまう面がある。  おそらくその「いいんでないかい精神」から、今は「マラソン?やれば?」という心境になっている道民が多いのだろう。しかし、半分は東京都民になっている私は、やはり「今からできるの? 余計な負担を押しつけられるのでは? 成功しても失敗しても、結局、札幌が非難されるのでは?」と心配の種は尽きない。なんとか首尾よく開催されることを祈るばかりである。 <文/香山リカ>
’60年、北海道生まれ。東京医科大学卒業。立教大学現代心理学部教授も務める。豊富な臨床経験を生かし、現代人の心の問題を中心にさまざまなメディアで発言を続ける。音声アプリ「ヒマラヤ」で「香山リカのココロのほぐし方」を配信中。最新刊『オジサンはなぜカン違いするのか』
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