手取り17万円の児童養護施設職員からわずか5年で年間家賃収入5000万円へ。破天荒大家の成り上がり術

 多くの不動産投資家を輩出している北陸にあっても抜群の異彩を放つ男がいた。脱サラからわずか5年で、大家として大きな成功を収めた男の投資哲学に迫る!
ポール氏

ポール氏

破天荒大家のクレイジー不動産投資

 不動産投資を始めて5年で所有物件は富山県内を中心に100室以上、年間家賃収入5000万円を突破。月々の手残りにして約250万円と、順調に投資規模を拡大している不動産投資家のポール氏。今でこそ3億5000万円以上を借り入れながら、所有戸建て物件の平均利回りは100%超えという驚異的なパフォーマンスを発揮する大家となったが、数年前までは薄給で働く勤め人として苦労の多い毎日を送っていた。 「児童養護施設の職員として働いていたのですが、収入面の不安を解消すべく、バイトに精を出しました。しかし、結果は過労がたたり血尿が出る始末。無理な副業で体を壊した反省から、今度は株やFXで不労所得を目論みましたが、大きく損をするだけでした」  そんな苦境の最中に出合ったのが不動産投資だった。 「大家さんのブログをチェックする中で、同じ富山県に住む不動産投資家、ふんどし王子と吉川英一さんの存在を知り、めちゃくちゃ憧れていました。その2人のセミナーに参加して、2人だけでなく、多くの人と知り合えたのが契機になりました。その後も融資付けに苦労をしていた際には物件を紹介してくれた不動産屋の社長が、付き合いのある信金に電話をして、『ワシの物件に融資を出さないとは、どういうことだ!』と怒鳴ってくれたら融資が下り、無事一棟ものをゲットできたり、本当にいつも人に助けられてます」

利回り70%を超える「陸の孤島アパート」

 持ち前の人間力が支援してくれる人を引き寄せ、突破口を切り開いてきたポール氏。大家業を始めて4年でセミリタイアを果たした。 「うまく売却を織り交ぜたことで、投資を加速させることができました。リタイアするには物件を買い続ける必要がありますが、物件を買うにはそもそも現金が必要。時には思い切って売却してキャッシュをつくることで新築の頭金や、ボロ戸建ての購入資金を捻出してきました。不動産で早めにセミリタイアしたい人は売却も視野に入れて動くことが不可欠です」  そんな彼には大家としての自信を深めた思い出深い物件がある。

鬱蒼とした草木が生い茂る物件。こういった物件を切り開き、客付けを行うことで高利回りを実現

「『陸の孤島アパート』と呼んでいた、人口わずか500人しかいない地域にある8室のアパート。400万円で買ったこの物件を全空状態から自力でDIYや客付けを行い、満室にしたことで大家としてやっていく自信がつきましたね。年間家賃収入は288万円なので、利回りは72%。その町のマーケットシェアの1.6%を動かしたわけですから(笑)。今の僕なら無人島に家を買っても客付けできると思っています」
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ユンボの免許も取って自前でリノベも当たり前
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