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この店は洒落た雰囲気になっているが、昔ながらの屋台風の店でもタピオカティーが見られる
タイもネットによる情報量の増大からライフスタイルが多様化し、それに伴ってコーヒーやお茶を飲む人が増えた。タイ国内ではコーヒー豆や茶葉の生産は昔からあるが、ベトナムやカンボジア、ラオスのフランスによる統治があった国と違い、一般的な国民にそれらを嗜む習慣がなかった。それがライフスタイルと共に徐々に変化したと見られる。
ただ、タイでは買って撮影だけして捨てる人はほとんどいない。すでに定番化している飲みものなので、今さらと思っている人も少なくないのだろう。とはいえ、タピオカティーのスタンドが増えているのも事実だ。その様子をよく見てみると、タイではタピオカティーにプラスαになっているようでもある。ブームが必ずしも日本からだけとは限らないためか、やはり台湾で始まったチーズティーがタピオカティー再来と同時にタイに上陸し、タピオカとチーズティーが一緒になっている店もある。

チーズティーをバーナーで炙り仕上げてくれる
チーズティーは、お茶の上にチーズで作ったクリームを載せているものだ。店によってはバーナーで炙るなどする。ネットで見ると、日本に専門店が初めて登場したのが2018年らしい。しかし、筆者が確認している限りではタイとベトナムは2017年にはチーズティーの専門店が台湾から上陸している。チーズティーに関しては若干、東南アジアが日本よりも早かったからか、すでに郊外でもスタンドを見かけるようになっている。さすがにチーズとお茶が合うとは思えなかったが、これが案外コクがあって飲めるものだった。
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糖分の健康被害よりも、プラスチック容器を火で炙っている方が健康被害が起きそうな気がする……
タイを始め東南アジアは1年中気温が高いので、何年住んでいようが日中の酷暑は身体にきついものがある。そういったときにタピオカティーやチーズティーの甘さは体力回復に向く。タイでもタピオカティーの糖分などによる飲み過ぎの健康被害に警告が出ている。しかし、一過性ではなく、完全に定着しているところを見ると、チーズティーはまだわからないが、少なくともタピオカティーはタイにぴったりの飲みもので、今後もビジネスとして成り立っていきそうな雰囲気だ。
<取材・文・写真/高田胤臣>