まるで“終身刑”。被収容者を凶悪犯かのように扱う入管の非道

2週間だけの自由でも、一生忘れない

 結局、ベヘザドさんとデニズさんは11月7日に収容され、その日のうちに牛久入管へ移送された。  牛久入管で面会ボランティアをしている森川暁夫さんから、ベヘザドさんからの支援者に対するメッセージを伝言された。 「この2週間の日々が夢のように思えてきた、そんな気持ちになり部屋に入ってからいい歳なのに少し泣いた。何より出所してから記者に囲まれ、とても前向きな気持ちでいられた。  とても暖かい人々のぬくもりに囲まれ、最後の最後までとてもよかった。2週間だけの自由でも一生忘れない。2週間で会った人たち、希望を与えてくれて一生感謝します」  マジットさん、サファリさん、デニズさん、ベヘザドさんは、収容されたその日からハンストを開始している。  このやり方はいつまで続くのだろうか。彼らは難民であり、帰国することができない。精神崩壊をするまでだろうか? 命を落とすまでだろうか? 仮放免しては2週間で収容を繰り返す、この“無限地獄”のようなゲームを考えたのは、本当に人間なのだろうか。 <文・写真/織田朝日>
おだあさひ●Twitter ID:@freeasahi。外国人支援団体「編む夢企画」主宰。著書に『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)など。入管収容所の実態をマンガで描いた『ある日の入管』(扶桑社)を2月28日に上梓。
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