消費増税から1ヵ月。景気は冷え込み傾向。進んだのはキャッシュレス化だけ
2019年10月から施行された消費税率10%への引き上げ。今回の増税は5年半ぶりとなり、景気や消費者の家計にどのような影響を与えたのだろうか。
増税から1ヶ月経った中、浮かび上がってきた実情についてみていきたいと思う。
航空券の予約プラットフォームである「エアトリ」は、11月11日に「増税から1ヵ月」に関する調査を発表した。
10代~70代の男女1131人を対象にしたこの調査で、「キャッシュレス決済のポイント還元」や「軽減税率制度の導入」などによって、どの程度生活が変わったのかが明らかになったまた、増税前後の消費動向についての調査から、増税が消費者の生活にどの程度影響を与えたかについて伺える内容となっている。
まず、軽減税率についての理解度を問う質問に対して、「十分に理解できている」と回答した人は29.0%に留まった。残りの7割以上の人が「一部理解できていない部分がある」もしくは「全く理解できない」とのこと。
やはり1ヶ月経過したとはいえ、そもそも軽減税率についての理解があまり浸透していないことが浮き彫りになった。
増税後の金銭的負担は、「増税前に想像していたものより増えた」と回答した人が4割以上(41.9%)に上った。
従来の消費税率8%のまま据え置きになる軽減税率が、どのような場合に適用されるのかが今ひとつ浸透していない。制度を上手く活用できていないことも、負担が増える一因になっているのだろう。
次に、増税後の支払方法について「ほぼキャッシュレス」と回答した人は37.1%だった。これは、増税前の8月と比べて5.8ポイント増加しており、増税以降にキャッシュレス決済に移行した人が一定数いることを示しているといえよう。
2020年6月まではキャッシュレス決済でポイントが還元される。それまでにどのくらいの人がキャッシュレスに移行するのか、注視していきたいところだ。
キャッシュレス決済の方法については、スマホ決済アプリを選択する人が31.1%と、増税前の21.3%と比べて9.8ポイント増加した。メルペイ、楽天ペイ、LINE Pay、PayPayを筆頭に、コンビニや銀行など様々な業種がキャッシュレス決済事業に参入し、QRやバーコードを用いての決済が、徐々に一般化してきていると考えられる。
スマホ決済が支払手段の1つとして認知され、実際に購買する際に選択されていることが伺える結果となった。
軽減税率の理解はあまり浸透していない?
スマホ決済アプリによるキャッシュレス化は進む
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