自分を支配者であると信じて疑わない、モラハラ夫の異常性<モラ夫バスターな日々37>

「俺が社会のスタンダード、俺が世間の常識」

4、俺様がルール  モラ夫は、妻に反論させないよう、自らを社会常識の側、妻を非常識の側に立たせる。例えば、「普通、~~だろ」と自らを「普通」、すなわち、社会常識側に立たせる。他方、妻については、「そんな甘い考え、通用しない」などと非常識の側に追いやる。そして、俺が「世間の厳しさを教えてやる」などと、自らを指導者的立場におく。 5、逃げ道を塞ぐ  理不尽な要求をされ、或いは、妻が辛くて、「そんなに言われても、できない」「無理だよ」とモラ夫の要求が無理なことであると訴えても、モラ夫は許さない。例えば、「俺に言わせれば、そんなの甘えだ」「逃げだな、俺から見れば」などと妻の逃げ道を塞ぐ。

なぜモラ夫とは話が通じないのか

 妻がモラ夫と話し合おうとしても、モラ夫とは話しは通じない。多くの被害妻は、「お前は頭が悪い」「常識がない」「頭がおかしい」などとディスられ、話が通じない原因が自分の側にあると思い込まされている。  しかし、真実はそうではない。モラ夫は妻を支配するため、妻の言い分を封じ、自らの考えを押し通そうとする。つまりモラ夫は、初めから妻の言うこと、考えを理解しようとは思っていない。理解する意思を欠く相手に理解させることは不可能である。  したがって、冒頭の女性の希望が叶う日は来ないだろう。  本来、夫婦は、イコールパートナーであるはずだ。この点を日本の男性たちに徹底しないと、日本の女性たちは、結婚に希望がもてない。2008年、日本は人口減少社会に突入した(参考:総務省統計局)。  モラ文化を撲滅しないと、人口減少はさらに加速していき、日本社会は壊滅する。 <文/大貫憲介 漫画/榎本まみ>
弁護士、東京第二弁護士会所属。92年、さつき法律事務所を設立。離婚、相続、ハーグ条約、入管/ビザ、外国人案件等などを主に扱う。コロナによる意識の変化を活動に取り込み、リモート相談、リモート交渉等を積極的に展開している。著書に『入管実務マニュアル』(現代人文社)、『国際結婚マニュアルQ&A』(海風書房)、『アフガニスタンから来たモハメッド君のおはなし~モハメッド君を助けよう~』(つげ書房)。ツイッター(@SatsukiLaw)にてモラ夫の実態を公開中
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