総理支援者の手荷物検査無しでの入場こそセキュリティ上の問題ではないか?
セキュリティを理由にあげて、先ほどの質問の答弁を拒否した安倍総理。
これに対して、田村議員はしんぶん赤旗の独自取材の結果を証拠に追加する。それは
セキュリティ上の理由で答弁を拒否した安倍総理の正当性を根底から覆すものであった。
田村議員:「しんぶん赤旗の取材でね、えー、下関市の後援会の男性、
”到着すると
安倍事務所の秘書らがバスの座席をまわって入場のための、う、受付票を回収する。その
秘書が受付を済ませ、参加用のリボンを配る。
まとめてのチェックインで手荷物検査は無かった”
何がテロ対策を強めたですか。調べてください。調べてください。総理」
事実を積み重ねて、安倍総理を追及する田村議員。
しかし、この質問に対して、
自民党・金子委員長はまたしても答弁に安倍総理ではなく内閣府の大塚参考人を指名。これも総理にしか答えられない質問内容のため、
共産党・山添拓氏らを始めとする野党理事は委員長席に猛ダッシュして、すぐさま抗議。1分ほど中断する事態になる。しかし、結局、今度も答弁は
大塚参考人となる。
以下、中断再開後の大塚参考人の答弁。
大塚参考人:「あのー、
受付に関する、その、
お尋ねだと受け止めました。あのー、
受付時の対応に関する情報は、これはまさしくセキュリティに関することであるため、あの、
お答えは差し控えさせて頂きたいと考えております。(
赤信号)」
これに続いて、安倍総理も答弁。
安倍総理: 「あのー、
今、あー、政府、あのー、
政府参考人から、お、
お答えをさせて頂きましたように、えー、
受付、えー、
の仕方等々につきましてもですね、えー、
これは、あの、おー、まさに、これは、
例えば、ま、
その後の私との関係においても、これは
セキュリティに関することでありますから、えー、これは
お答えは差し控えさえて頂きたい。このように思います。(
赤信号)
もうこれが理由として通用しないことは明らかになっているにもかかわらず答弁を拒否しており、2人とも
赤信号とした。それにしても安倍総理の答弁は何を言っているのか意味がわからないほどしどろもどろになり、あからさまに狼狽しているようだ。
この答弁の後、「時間です」と金子委員長に注意を受けながらも、
田村議員は怒涛のように以下の内容をまくし立てて、質問を終了する。
田村議員:「開門前にね、
手荷物検査もしないで大量に入ったら、それこそセキュリティ上の問題じゃないですか。
桜を見る会は参加費無料なんですよ。
会場内でも無料で樽酒、その他のアルコール、オードブルやお菓子を振る舞うんですよ。ね、これを政治家が自分のお金でやったら、明らかに公職選挙法違反。そういうことをあなたは、
公的行事で税金を利用して行っているんですよ。これだけでも重大問題だと。まさに
モラルハザードは安倍総理が起こしていると。このことを指摘して、質疑を終わります」
この質疑は、残念ながら大手テレビ局での当日の扱いは
TBS「NEWS23」などに限られており、広く認知されていないが、インターネットでは質疑当日から大きな注目を集めた。
本記事では終盤の10分間のみを分析したが、30分間にわたる全編を
国会パブリックビューイングが字幕付きでYoutubeに公開している。証拠に裏付けられた田村議員の怒涛の質問、同席した野党議員の大きなリアクション(失笑、驚き、抗議)、安倍総理や大塚参考人の答弁の不自然さが映像ではさらにはっきりと確認できるだろう。
<文・図版作成/犬飼淳>
TwitterID/
@jun21101016
いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身の
noteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。
noteのサークルでは読者からのフィードバックや分析のリクエストを受け付け、読者との交流を図っている。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(
日本語版/
英語版/
仏語版)で国会答弁の視覚化を全世界に発信している。