在外邦人も危惧。おめでたい「日本すごい」幻想を脱しないと手遅れになる

「日本製品=高品質」は過去の勲章

 15年前から中国・華南地方でコンサルティング業を営むTさんは、日本製品の価値が低下していると指摘する。 「日本の家電に憧れがあるのは’50~’70年代生まれまで。現在の白物家電は中国製の3倍の値段で低機能、特にIоTへの対応が遅れているので、日本製品=高品質というイメージは、10~20代の中国人の間ではそれほど強くありません。それなのにいまだに『日本の高品質な電化製品を爆買いしに来る中国人』といった意識でいる日本人が多いのは驚きます」  実際、コンピューターやスマートフォンなどの分野では日本製品はもはや見る陰もないのは周知の事実で、白物家電もシャープは鴻海に、東芝も美的に買収されており、もはや「日本製品」とは言えなくなっているのが現状だ。 「経済的に日本のほうが格上だ」というおめでたい思い込みをアップデートしていかないと、経済はどんどん取り残され、過去の栄光と勘違いだらけの「クール・ジャパン」という不毛な夢想の中で徐々に沈んでいくのは間違いない。
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