自動車関連会社、経営コンサルタントを経て’13年に中古車輸出ビジネスを始めたアクター氏
在日外国人が携わるビジネスとして長い歴史を持つ
中古車輸出。’70年代に研修生として来日したひとりのパキスタン人が、本国へ日本の中古車を4台送ったことがその始まりとされているが、今では
中古車輸出ビジネスの過半数はパキスタン人が占めている。
車検システムがしっかりした日本車は、中古でも新車同様の機能を誇り、海外で特に高く売れるために発展したというが、実際に日本最大級の中古車オークション会場である、野田市のUSS東京に足を運ぶと、
来場していた業者の半数近くが外国人だった。
「最近では、
スリランカなどパキスタン以外の国の人も増えています。パキスタンは中古車の輸入規制がどんどん厳しくなっているんですよね」
そう語るのは、川口市で中古車販売業を営む、パキスタン出身のアクターナヒード氏(現在は日本国籍)。もともとはパキスタンへの輸出が多かった中古車ビジネスだが、現在は
アフリカへの輸出がメインとなっている。
「
タンザニア、ザンビア、コンゴ、ウガンダ、ケニア……いろいろな国の現地のエージェントと協力して輸出しています。今は特に、
中古のバスが人気ですね。アフリカ以外だと、
ヨーロッパには高級車を販売することが多いです」(アクター氏)
中古バスは、東京五輪を控えた日本でもニーズが高まっており、国内の観光会社に販売することも多いそうだ。これだけチャンスが広がっているなら、日本人ももっと参入すればよいのに……。
「オンラインオークションのシステムができてからは、日本人も増えました。私が仕事を始める前の話ですが、
日本人の業者が『ゴミだから持っていっていいよ』という車をパキスタン人が回収して30万、40万で売っていた。これは勉強して自分たちでやったほうがいいと気づいたんでしょうね」(同)