中古車ビジネスの海外展開は外国人のほうが歴史は長い
とはいえ、中古車ビジネスの海外展開に関しては、外国人のほうが歴史は長く、販路も押さえられている。目の前のビジネスチャンスを生かせず、ガッツのある外国人が掴んでいるのが現実だ。
外国人による中古車販売には、盗難車を解体して部品を売るようなダーティなイメージもあるが、「
犯罪組織の元締は日本人のことも多い。
外国人だから犯罪に手を染めるのではなく、日本人でも外国人でも犯罪に手を染める人は染めるし、いい人も悪い人もいるという単純な話。ほとんどの人は働き続けたいからこそルールを守って真面目に働いていますよ」とアクター氏は話す。
「私は’02年に来日して、立命館アジア太平洋大学でMBAを取得しました。自動車関連会社を経て外資系の経営コンサルに転職し、70万円の月給をもらっていましたが、それを捨てて今のビジネスを始めたんです。日本は能力を持った人にはチャンスが開かれていると思うけど、リスクを取って新しいビジネスに挑戦するよりは安定を選ぶ傾向が強いように見えます」
会社の年商は現在2億円に近く、まだまだ成長を続けている。
アクター氏のホームページには日々世界中から注文が舞い込む(https://www.ltfinternational.com/)
「将来的には医療機器や革製品なども扱って、ビジネスの幅を広げていきたい。今は帰化して日本人になっているのですが、もともと留学時には日本政府が奨学金という形で私をサポートしてくれたので、
私も日本のために外貨を得て日本経済に少しでも貢献したいと思っているんです」
日本人の富裕層がどんどん海外に資金を持ち出すなか、今後日本経済に貢献するのは、海外出身のアクター氏のような人なのかもしれない。