巷の「心理テクニック本」はなぜ使えない!? 効果を出すのに足りない3つの基本原則とは?

テクニックを実践するには信頼関係が重要

 心理テクニックが“宝の持ち腐れ”にならないようにするには、どうすればいいのか? 私はこれまで読んだ700冊以上の心理学の本と、50社以上、延べ1000人以上へのコンサルティングを通して導き出した、「あらゆる心理テクニックに共通する基本原則3つ+信頼関係構築」にシンプル化し、『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』という本にまとめた。  同書でも私が活用している27の心理テクニックを紹介しているが、あくまでも大きな軸となっているのは、人を操る心理テクニックの基本原則3つと、心理テクニックのベースとなる信頼関係だ。そのうえで初めて「心理テクニック」が活きてくるのだ。  基本原則を理解してから心理テクニックを使えば、自然と「なぜ、心理テクニックは機能するのか?」という根本的な仕組みが身につくはずだ。そうすることで初めて、本来の効果を発揮させることができる。そして、心理術が人を操る最強の武器になるのだ。

「相手を理解する」ことがすべての土台に

 では、土台となる3つの基本原則とはどのようなものなのか? それが下記の3点だ。  基本原則1:相手の一貫性を理解する  基本原則2:一貫性に基づくレスポンスを予測する  基本原則3:「論理+α」で相手の頭と心を説得する  特に肝心なのは、基本原則1だ。「相手の一貫性を理解する」というのは、言い方を変えると「相手を理解してあげよう」ということだ。  有名な『7つの習慣』という本に「理解してから、理解される」という言葉があるが、お互いを理解して信頼関係を作るためには、まず相手を理解してあげる必要がある。そうすると「返報性の法則」が働いて、相手もこちらのことを理解しようとしてくれる。その結果、お互いのことを理解して、信頼関係が築けるのだ。  さらに、相手の事を知ろうとすると、その人の行動や言動の核となる価値観や行動原理を特定することができる。相手が言われて喜ぶことや、自分の意図した行動を起こさせたいときに、どのようなアクションを取ればいいかわかるようになるのだ。  この基本原則1は、基本原則の中でも最重要項目だ。心理テクニックを使って仕事で成果を上げるには、何十個もテクニックを覚える必要はなく、心理テクニックの根底にある、たった3つの基本原則+信頼関係構築さえ意識できれば、心理テクニックを活用して仕事で高い成果を残せるようになる。  これまで「心理学の本を何冊も読んだけど、なかなか実践できない」という方は、まず基本原則を身につけて信頼関係を構築してほしい。基本原則で足元を固めれば、より心理テクニックを日常生活に活かすことができるだろう。 <取材・文/山本マサヤ>
心理戦略コンサルタント。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』がある。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催中。
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