「ひどいことが起きていることを知らせてほしい」。入管被収容者から届いた血染めのTシャツ

入管の「無期」収容の方針が変わらない限り、ハンストは続く

東京入管前で市民が抗議

デニズさんが再収容されるかもしれないことを知り、東京入管前で市民が抗議のプラカードを上げた

 被収容者の弁護士や支援者の話を総合すれば、以下のようになる。  入管としては施設内で死者を出されては責任問題に発展するので、ハンスト者の体重が十数kg減った時点で仮放免を出すのだが、そのときには「食事再開」を条件にする。そしてある程度体重が戻ったところで仮放免するが、結局は2週間で再収容することで「収容を継続する」との方針だという。  デニズさんに面会した3日後の9月30日にはシャーラムさんから留守番電話が入った。 「私のブロック(居住区)では今日から15人がハンストを開始しました。他のブロックと合わせると30人以上はいる。また面会に来てください」  10月21日現在、再入所したハンスト者で、再び仮放免が許可された人は16日に1人、そして17日に2人(シャーラムさんを含む)だ。だが驚くことに、またしても入管は「仮放免期間は2週間」と通知した。入管は本当に再び、わずか2週間での再収容を同じ人たちに対してするのだろうか。  おそらく、入管の「無期」収容の姿勢が変わらない限り、ハンストは今後も断続的に続く。デニズさんについては、10月25日に仮放免されることが決まった。今度はその期間が2週間であれ1か月であれ、更新されることを祈るばかりだ。 <文・写真/樫田秀樹>
かしだひでき●Twitter ID:@kashidahideki。フリージャーナリスト。社会問題や環境問題、リニア中央新幹線などを精力的に取材している。『悪夢の超特急 リニア中央新幹線』(旬報社)で2015年度JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞。
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