台風19号の中、注目されたパチンコ店のツイート。知られざる防災拠点、災害避難所としてのポテンシャル

災害時拠点としてのパチンコ店

 都市防災の専門家は言う。  イオンモールのような複合施設やコンビニ等は災害時の防災拠点としての役割が、自他ともに認める社会的責任として割り振られており、特に災害発生後48時間の避難拠点として、また帰宅困難時の補給拠点として、社会に欠かせない防災インフラの一つになっている。次の防災拠点として注目しているのがパチンコ店だ、と。  実際に避難誘導案内板整備事業や街中防災備蓄プロジェクトを推進している、日本ソフトインフラ研究センターのHPを見ると、2019年9月現在の情報で、日本全国約500店舗のパチンコホールが、同センターの防災備蓄プロジェクトに参画していることが見て取れる。  パチンコ店は、営業のための広告宣伝ツールとして、多くの店でLINE@やTwitterやFacebookの公式アカウント等の「情報発信ツール」を用意している。普段は「新台入替」やリニューアルオープン情報等の告知が主な利用途であるが、万が一の災害時には、この「情報発信ツール」が、有益な防災情報になる可能性があるのだ。  パチンコ店は全国津々浦々にある。  普段パチンコをしない人であっても、一度店内をのぞいてみる事も良いのではないか。

救命用のAED(自動体外式除細動器)を備えている店舗も多い

 もし店舗で防災備蓄等があれば、店内ポスターで掲示している。店舗スタッフに質問すれば、嫌な顔一つすることなく教えてもくれるだろう。立体駐車場を備えている店舗であれば、事前に災害時利用の告知が無くても、いざという時に店舗に連絡すれば、多くのパチンコ店では協力を惜しまないだろう。災害時に限った事ではないが、救命用のAED(自動体外式除細動器)を備えている店舗も多い。  その店舗の「情報発信ツール」を何かしら登録しておけば、いざという時に役に立つ。普段の営業通知が気になるのであれば、災害が予見された時だけの登録でも良いだろう。  パチンコの非ユーザーでも、トイレの利用や、喫煙所として利用する人がいる。  ここが一番大事なポイントであるが、ほとんどのパチンコ店では、そのような利用者も大歓迎なのだ。  まして災害が想定される場合に、地域の防災拠点の一つとしてパチンコ店が機能するということであれば、間違いなくパチンコ店は協力する。  このことは、ユーザーであれ非ユーザーであれ、頭の片隅に置いておいて損はない。 <文/安達夕>
Twitter:@yuu_adachi
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