「消費税5%減税」を野党結集の旗印に、次期総選挙での「安倍政権打倒」を呼びかける
札幌駅前での街頭演説には、約1000人がつめかけた
次期総選挙での「安倍政権打倒」に向けた現実論をセットで語るのも、山本代表のもう一つの特徴だ。
「れいわ新撰組」の目玉政策である消費税廃止の目標を掲げつつも、早期政権交代を実現するための“妥協案”も提示していたのだ。
「消費税廃止にすることができるのは『れいわ新選組で政権取れるまで待つのかよ』という話です。消費税を廃止することを目標にもって、まず少なくとも減税を目指していくのが大事ではないでしょうか。
『5%に減税する』と、野党がまとまって選挙を戦えば、政権交代できると思いませんか?」(山本代表)
最終目標としての消費税廃止を放棄するのではなく、そこに近づく第一歩として実現可能性の高い「消費税5%減税」を野党結集の旗印(共通政策)にして、次期総選挙での「安倍政権打倒」を呼びかけたのだ。
札幌でも旭川でも新宿でも、約2時間の街頭記者会見が終わった後も、聴衆の高揚感がすぐに消え去ることはなかった。山本代表とのツーショット写真撮影の希望者が長蛇の列を作り、近くに設置されたポスター提供とカンパ募集、ボランティア登録ができるコーナーにも、多くの人だかりができていた。
9月25日の旭川駅前での街頭演説にも、約400人の聴衆が集まった
北海道から始まった全国ツアー(街頭記者会見)は“れいわ旋風”を各地に起こす役割を果たし、支持者拡大へと確実につながっている。結党から約半年の「れいわ新選組」がすでに野党第二党の国民民主党を上回る政党支持率を記録しているのは、山本代表の存在感と期待感の賜物といえるだろう。
旭川でのツーショット撮影が終わったのは、開始から2時間半後の21時すぎ。気温10℃以下の寒さの中で囲み取材が始まった。「消費税5%減税で野党が一致できるのか」との問いに、山本代表は自信たっぷりにこう答えた。
「(いち早く賛同した)共産党だけでなく、『消費税5%減税を旗印にすれば、次期衆院選挙で政権交代できる』と話す野党議員は何人もいます」
北海道に続く全国ツアー第2弾は九州(10月15~20日、24~28日)へと向かうという。「消費税5%減税」を旗印に「安倍政権打倒」の狼煙を上げ始め、いまや永田町の“台風の目”のような存在となっている山本代表から目が離せない。
文・写真/横田 一