持続可能な社会や未来を創るために国連で採択された
SDGs(持続可能な開発目標)。その中の12番目の目標として「
持続可能な消費と生産」が掲げられている。
経済成長のために大量生産・大量消費をしてきた代償として、地球温暖化や異常気象などの地球環境問題が深刻化し、我々人間社会にも影響を与えるようになった。
これ以上、地球環境に負荷をかけず、持続可能な消費をするためにはどうすれば良いのか。
サスティナブルな社会の実現に向け、無駄な生産や消費を減らすためには、消費者と生産者がともに意識を変えていく必要がある。短絡的な考えではなく長期的な視点を持ち、一人ひとりが地球環境の尊さを感じ、自分の行動に責任を持つ局面にきているだろう。
そんな中、9月14日にhotel koe tokyoにて行われた「STRIPE DEPARTMENT(ストライプデパートメント)」のイベント「Update Your 24 Hours」で、「ファッションとサスティナビリティの未来」と題したトークセッションが行なわれた。NYを代表するファッションデザイナーであるPhillip Lim(フィリップリム) 氏と国内外で活躍するトップモデルである冨永愛氏が登壇し、それぞれのサスティナブルへの考えや取り組みについて語った。
ファッションとサスティナビリティは、同じ文脈でよく語られるテーマだ。
2015年に公開されたドキュメンタリー映画『ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償』では、ファッション業界の裏側が暴露され、持続可能な服とは何かを考えさせられる内容が、世界中で大きな反響を呼んだ。
また、ラグジュアリーブランドが次々とリアルファーを使わない「Fur Free(ファーフリー)」を宣言するなど、ファッション業界全体にサスティナブルな服作りへの取り組みは少しずつ浸透してきていると言えよう。
しかし、こうした動きはまだまだ局所的で、全てのファッションブランドが環境保全やサスティナブルな考えをもとに服作りを行なっているとは言い難い。
冨永愛さん(左)とフィリップリムさん(右)
ニューヨークのリアルクローズを表現し続けるフィリップ・リム氏は、サスティナビリティに対してどのように考えるのだろうか。
「起業家として、ファッションデザイナーとして、常に自分自身と真摯に向き合いたいと思っている。私の服作りは、自然からインスピレーションを受けてきたが、コレクションを毎シーズン行うことで自然に与える影響は非常に大きいものだと感じた。仕事や日々の生活にサスティナブルな考えを取り入れることで、アイディアの源泉である自然に敬意の念を抱き、恩返しをしていくこと。これが私のサスティナビリティだと思う」
冨永愛さん
一方で冨永氏は、途上国の妊産婦や子供の健康を守る活動を行うNGOの
ジョイセフ(JOICFP)との出会いが、サスティナブルを新ためて考えるようになったきっかけと話す。
「ジョイセフでアンバサダーの活動をさせてもらっているが、アフリカを訪れた際に、子供を育てる環境が、日本とアフリカで全然違うことに気付かされた。1日に800人の母親が死んでいる現状を知り、何かサポートできないかと活動をしているものの、地球環境が悪ければ何も変わらないと思う。
1つ1つ自分にできることを考え、地球は全てつながっているという意識を持つことが大切」
サスティナビリティはファッションだけではなく、人間の生活や経済活動など様々な側面から考えるべきものなのだろう。豊かな地球に住み続けるためには、地球環境に配慮して私たち一人ひとりが何をすれば良いのか、ということを考えていくのが必要になってくるのではないだろうか。