温泉マナーの意識調査。タトゥーは「条件付き」も含めば容認派が「全面禁止」を上回る結果に

タトゥーについては意見が割れる

 「刺青、タトゥーのある人の入浴についてどう思いますか?」という質問をした。最も多かった意見は「全員入浴禁止にすべき」(31.0%)だった。一方で、「ファッションタトゥーの場合は入浴可にすべき」(24.7%)、「隠せば入浴可にすべき」(20.6%)、「みんな入浴可にすべき」(11.8%)となっている。大きく「入浴可」でくくれば47.1%と、「全員入浴禁止」にすべきより15%程高くなるのである。  このように利用者の意見が分かれている以上、より多くの人が納得する基準を設ける必要があるだろう。しかし、「入浴可」の中でもその基準にグラデーションがあることから、なかなか簡単にはいかないかもしれない。また、 今回の調査対象の多くは日本人であるので、外国人にも意見を聞く必要がある。今後、日本に更に多くの外国人が訪日することが予想されている。  実際、観光庁も2016年3月には「入れ墨(タトゥー)がある外国人旅行者の入浴に際し留意すべきポイントと対応事例」として以下のような項目を挙げている。 ・宗教、文化、ファッション等の様々な理由で入れ墨をしている場合があることに留意する。 ・利用者相互間の理解を深める必要があることに留意する。 ・入れ墨があることで衛生上の支障が生じるものではないことに留意する。 「外国人のタトゥー」についてだけ、このような通達を出す姿勢は疑問に思えなくもないが、今後はダイバーシティを尊重した新たな入浴ルールが作られていくことが望ましいのではないか。

入浴前の体の洗い方

「入浴前の体の洗い方についてどう思いますか?」という質問をした。過半数の人が「キレイに身体を洗ってから入るべき」(56.9%)と回答し、「かかり湯をすればOK」は40.5%に留まった。  しかしながら、温泉ソムリエ家元の遠間和広さんは、「入浴前に石鹸やボディソープでゴシゴシ体を洗うのは控えましょう。温泉は、普通のお湯より刺激が強いので、角質をとってしまうと温泉の刺激に負けることがあります」と指摘している。(出典:温泉ソムリエの癒し温泉ガイド「意外な入浴法うんちく」)「かかり湯」をするのもちゃんと理由があることなので、マナー違反とは言えないだろう。  まだマナー違反なのかどうか明確になっていない行為もあったが、明らかなマナー違反として認識されている行為もあった。マナーを守って、誰もが気持ちよく温泉を楽しめるようにしたい。 <文/田中宏明>
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