「世界経済は過大評価されすぎている」闇株新聞氏

第3次安倍内閣の下、いよいよ始動した’15年相場。’14年末はロシア経済危機が表面化し、マーケットの不安材料として急浮上したもの。今年も続く「もっと異次元になった」金融緩和で日本株はさらなる高みを目指すのか?闇株新聞氏が’15年前半のマーケットを大予想!

’15年はロシア、ギリシャだけでなく新興国で金融危機が再燃!「もっと異次元になった」金融緩和で日本も黄信号……

(ブログ&有料メルマガ管理人「闇株新聞」氏)  新年なので今年前半の日本株で留意すべきことを考えたい。  まず大前提として、世界経済はリーマンショック以降の金融緩和・量的緩和の景気回復効果を過大評価していたことを理解する必要がある。同じように、中国や新興国を含む世界の需要も過大評価されており、その反動で世界的な成長鈍化・インフレ率低下・長期金利低下・資源価格下落に見舞われていることになる。FRBが大胆な量的緩和に転じたため、ドルが資源などのモノに対して減価すると警戒しすぎた結果、世界的に資源の過剰開発・過剰生産が進んだ。一方で、世界の需要が過大に見積もられていたため、資源価格の下落を招いたのである。  この傾向は’13年の後半から目立ち始めたが、最も早く反応したのが金価格。’13年4月に1トロイオンス=1600ドルから1300ドルまで急落し、現在も1200ドル前後である。原油価格はたまたま中東情勢が不安定だったことや「イスラム国」の出現で’14年6月頃まで1バレル=100ドル台(WTI原油先物)で高止まりしていただけである。  先進国で最も経済が順調に回復しており、さらに最も利上げが近いと考えられている国が米国であるため、必然的にドルが強含み、世界的な「ドルシフト」が今年も続くことになる。その結果は新興国や資源国から資本が流出して’14年末にロシアのルーブルが急落したように、経済危機・金融危機がまだまだ発生することになる。また、しばらく小康状態だったユーロ圏の債務危機問題も再燃する恐れがあり、早くもギリシャが3度目の危機となりそうである。  じゃあ、’15年の株式は要注意なのか?というと、そうでもない。世界的な金融緩和で投資資金が溢れ、低金利や資源価格の下落で株式の相対的魅力が増しているからである。どの国でも株価指数は国を代表する優良企業の集まりであり、経済全体よりも高収益が期待できる。特に日本では「もっと異次元になった」量的緩和により進む円安が株高に作用すると考えられる。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)など公的資金の日本株買いも期待できる。 ⇒【後編】に続く http://hbol.jp/20314 【選者】「闇株新聞」氏 闇株新聞’10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に’11年10月の「オリンパス事件」や’12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事を書いて話題に。’12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。『闇株新聞 the book』(ダイヤモンド社)も発売中
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