会話を弾ませられない人ができない「たった一つのスキル」とは?

「上司や同僚と話をしていても、話がはずまない」と感じているビジネスパーソンは意外に多い。話をはずませることができて、人の輪の中心にいることが多いビジネスパーソンもいれば、話がはずまなくて、気まずい雰囲気になって、孤立してしまう人もいる。

あいづちは意外に難しい

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 話をはずませるビジネスパーソンになれるかどうかは、その人の持って生まれた存在感のようなものが大きく左右し、長年の間に培われたセンスによるものなので、一朝一夕になれるものではないと考えている人が多い。  筆者は話をはずませることができる人と、はずませることができない人は一体なにが違うのか、行動を分解してひもといてみた。その結果、意外なことがわかった。話をはずませることができる人は、たったひとつのスキルを実施しているのだ。それも、誰でも実施しようと思えば実施できるスキルなのだ。  話をはずませるためには、あいづちをすると効果があるという考え方がある。「はい」「なるほど」「そうですか」「ええ」などという合いの手だ。相手の話を黙って聞くより、このような合いの手を入れると、相手の話ははずみやすい。  しかし、演習をしてみると、このあいづち、意外に繰り出すことが難しい。「同じあいづちを繰り返してしまい単調になってしまった」「さまざまなあいづちを繰り出そうと考えているうちに、相手の話を聞くことがおろそかになってしまった」という声も挙がる。  決して単調にならずに、それも、考えずに繰り出せるリアクション話法があればよいことになる。このように申し上げると、そんな都合のよい話法があるはずがないという反応に接するが、実はそのような話法があるのだ。それが「繰り返し話法」だ。

「わかっています」は逆効果

 繰り返し話法とは、その名のとおり、相手の言ったフレーズを、繰り返す方法だ。たとえば、相手が「仕事の依頼が一気に集中してたいへんだった」と言った場合に、「仕事が集中してたいへんだったのですね」と繰り返す方法だ。この方法が話をはずませるためにどの程度効果があるかは、ほかのリアクションをした場合と比較してみると、わかりやすい。  相手が「仕事の依頼が一気に集中してたいへんだった」と言い、自分が無言だったら、相手は聞いてくれているのかどうかわからず、あるいは無視されたと思って話は進まなくなるものだ。  自分が「そうですか」とあいづちで返すと、相手は紋切り型の受け答えだと感じて、親身に聞いてくれているかどうか不安がられることが多い。  自分が「わかっています」と答えると、それも即座に答えれば答えるほど、何度も答えれば答えるほど、相手は逆に「本当にわかっているのだろうか」と思ってしまう。「わかっています」の連呼は逆効果なのだ。
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2つの話法が鍵に
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